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石田明生

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『サン・ドゥニの首を切った男』(2)
2.

 彼がメルクリウス神を祀る神殿が厳かに立つ目指す丘のてっぺんに到着すると、すでにたいていの場所が占領されていた。が、彼の友人、熊使いのベッラが自分の隣の草地の一角を彼のために確保しておいてくれた。チュバルデュスはそれですっかり上機嫌になった。そこは、神殿に登る階段のちょうど一段目で、申し分がなかった。細民と関わり合いたくない上客たちがよく佇むところだったからだ。煩わされることなく、その人たちは彼の芸を見ていられるし、芸が終われば必ずや彼の広げたマントにセステルス銅貨を投げ込んでくれるだろう。あるご婦人などは、彼の芸にだけでなく彼の押し出しにのぼせ上り、一ドゥニエ銀貨を投げ入れたことがあったほどだ。


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翻訳 | 17:48:05 | Trackback(0) | Comments(0)
『サン・ドニの首を切った男』(1)
 四月に入って、いろいろな原書を読んでいるうちに、ふと物語の翻訳がしたくなった。もちろん面白い本が見つかったからだ。作者は、Ch. Quinel(1886-1946) et De Montgon(1886-1942) という私にとっては知らない作家だ。以前、パリで買い求めた本で、タイトルは、『パリとモンマルトルの伝説と物語』、全部で15篇の短編が収められている。
 まずは最初の物語、『サン・ドニの首を切った男』を紹介したい。サン・ドニは、パリの守護聖人で、両手で首を抱えて歩く彫像で有名だ。また、彼がその首を抱えて倒れた場所が、現在のパリの北にあるサン・ドニ聖堂だったとも言われている。

サン・ドニの像 モンマルトル
モンマルトの丘、 シュザンヌ・ビュイソン小広場(Square Suzanne Buisson)にあるサン・ドニの像。
ちなみに Suzanne Buisson(1883-) は社会主義者で、対独レジスタンスの闘士として活躍したが、
ゲシュタポに逮捕される。ドイツの地で死を迎えたらしいが、没年月日は明らかではない。


※ 長いので、3回に分けて連載します。

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翻訳 | 06:20:23 | Trackback(0) | Comments(0)
『鍵と錠前 des clefs et des serrures』
 『鍵と錠前 des clefs et des serrures』という変なタイトルの本がある。昨年、91歳という高齢で物故したフランスの作家ミッシェル・トゥルニエMichel Tournierが、1983年に出した随筆集(エッセー)だ。表紙をめくると5€と鉛筆で手書きされていた。だいぶ以前、毎週日曜日に古本市の立つ、パリのブラッサンス公園で買ったものだ。買ったことも忘れていたこの本を先日部屋で見つけ、何気なく読み出したら、ひどく面白い。様々なテーマを2・3ページの長さで、豊かな知識と想像力を駆使して分析あるいは統合、敷衍あるいは凝縮している。文章は少々どころかかなり難解だが、知的好奇心と惰眠を貪っているわが詩情を刺激する。
 第一番目に表題の『鍵と錠前』というエッセーが来ているが、とりあえずここで紹介したいのは、『エロチックな画像(イメージ)L’image érotique』という文章だ。高度なエロチスムについて『不思議の国のアリス』で有名な作家ルイス・キャロルをまな板に載せて書いている。

鍵と錠前の表紙          ルイス・キャロルの写真
『鍵と錠前』の表紙とルイス・キャロルの撮った写真




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翻訳 | 15:20:54 | Trackback(0) | Comments(0)

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