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偽装マツタケご飯
 11月5日付けの毎日新聞の「余録」に次のようなおいしいことが書かれていた。

《薄く切ったエリンギと、マツタケ風味の吸い物の素を混ぜて炊き上げれば、「偽装」マツタケご飯の出来上がり。テレビの情報番組で知り、試してみた。なるほど、の味と食感だが、本物との微妙な差が分かるほどグルメ体験のないのが、ちょっと悲しい》

吸い物.JPG



 当日夜に帰宅すると、部屋中にマツタケの香がただよっている。鼻をくんくんさせて、食卓にアプローチすれば「マツタケご飯」が鎮座しているではないか。朝刊の余録を読んでなければ「マツタケどうした?」と、宝くじにでも当たったかのように大騒ぎになるところだった。ただ、卓上の朝刊にちらりと目をやり、大騒ぎする代わりに妻と目を見合わせてにやりと笑っただけだ。

エリンギ.JPG


 確かに味は余録氏の言うように、なかなかのマツタケぶりだ。このマツタケご飯を毎年食べて、この味に慣れた身で、本物の松茸ご飯を食べたなら、どうなるだろうか。もしかすると「これは本物とはちょっと違いますね」あるいは「これは輸入物ですかね」なんて言うかもしれない。もっぱら偽装マツタケご飯を食べていれば、こっちが本物で、本物が偽物に思えてくるという、おもしろい転倒現象が起こること請け合いだ。
 この話は、以前取り上げたことがある「鳥のさえずり」とも関連する。
 駅では毎朝、CDかテープか知らないが、「ピヨ、ピー、ピー」と鳥の鳴き声がかまびすしい。夏からずっと、晴れても曇っても、雨のときですら、鳴き続けている。それどころか、帰宅時間の夕方になっても、夜10時過ぎても「ピヨ、ピー、ピー」と鳴いている。この鳴き声は、季節や天候、寒暖や明暗に応じて調整しているのだろうか。我が貧弱な聴力では、その微妙な音の変化を感知できないというだけか。もしそうなら、努力している駅関係者に失礼かもしれないが、我が哀れな耳は鳥たちがただむやみやたら鳴いているように感じるだけだ。
 日々この鳴き声を聞き、慣れ親しんだ人たちが、偽装マツタケご飯に慣れ親しんだ人よろしく、本当の鳥の鳴き声を「これはちょっと、鳥の鳴き声らしくないですね。病気ですかね」「暑さにやられていますかね」「変な声が混じっていますね」などと評したら滑稽だ。転倒現象、ここに極まれりというわけだ。
 それにしてもあの「偽装さえずり」、なんとかならないものだろうか。まさに小手先だけの似非環境づくりの典型だ。JRのセンスのなさは数々あれどそのなかでも「鳥のさえずり」は一頭地を抜いている。

《追記》マツタケの味が釜にしみつき、翌日に白いご飯を炊いても家中マツタケの香りがした。得をした? かな。
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オピニオン | 13:20:56 | Trackback(0) | Comments(0)
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