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石田明生

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春の旅・・・奈良・京都(1)
 四月初旬、奈良・京都に旅行して来ました。普段の行いが良いせいか(?)、4泊五日の旅は天候に恵まれ、春爛漫を満喫することができました。
 奈良は、駅前の安ホテルに投宿しました。もちろん安いから予約したのですが、実際泊まってみて、その安さに思わず唸ってしまいました。

五重塔
朝日の逆光の中に立つ興福寺五重塔



 ツインの部屋、一泊七千円弱という金額だけでは、安いという実感はなかったのですが(ひとり三千五百円弱でしたら、やはり文句なしに安いのでしょうね)、部屋の設備の良さや、たとえ粗末な朝食と言えども、バイキング形式で食べ放題のパンとサラダがあれば、「極安」と実感します。もしこれが三人で泊まれば、ひとりの一泊分が三千円をきります。このホテル名、もう見当がついた方はいらっしゃるでしょう。
 朝食についてもう一言、飲み物はコーヒーと紅茶を自動のサーバーから各人が勝手にいただくのですが、コーヒーがすばらしい。ちゃんとアメリカンとエスプレッソの選択肢があり、このエスプレッソがけっこういけるのです。また、インスタントものですが、ポタージュスープ等各種スープがあるのもうれしいです。
 なんだか、のっけからホテルの宣伝めいてしまいました。こんなことを書くために、キーを叩き始めたわけではないのに、脱線癖は困ったものです。

 京都は南の果て、かぎりなく奈良に近い「木津市」という町に、大学時代の友人が住んでいます。このN氏、ずっと埼玉のほうで役所勤めをしていたのですが、めくるめく変化する今という時代に愛想が尽きたのでしょうか、それとも熟年の恋に血道をあげた末、失恋に至り、人生の無常を痛感したのでしょうか、退職を機に、西行法師さながら、大和の茅屋(ぼうおく)にひとりわび住まいをするに至ったのです。
 すみません。ついキーが滑りました。「茅屋」と「ひとりわび住まい」は嘘です。彼のお宅は我が家よりも大きい近代住宅ですし、かいがいしい奥方様もいらっしゃいます。できれば、西行や鴨長明風のほうが話としては面白いのですが・・・
 おっと、いま鴨長明の名を思わず、口走ってしまいましたが、このN氏のお宅はこの鴨一族の地名の持つ、「加茂町」にあります。
 さて、我が春の旅は、夜行バスで京都駅に降り立ったところから始めましょうか。それとも、京都駅から約50分、JR線に揺られて、木津駅でN氏と、再会したところから始めましょうか。

木津駅
近代的な木津駅・・・N氏はキャップと眼鏡とマスクといういでたちで我らを迎えてくれた。


 やはり、この旅は木津からにしましょう。
 そのN氏が、愛車の軽四輪に我ら夫婦を招じ入れ、最初に向かったのは、平重衡の首の落ちたる地点。木津駅のすぐ近くだと、N氏のたまう。どうやら今度の旅は、血なまぐさい話から始まるようです。まあ、梶井基次郎の短編ではありませんが、桜の木の下には死体が埋められているらしいから、これもまたよいか、と妙に納得しながら、単なる民家のあいだに入って行きます。すると・・・

奈良
民家の間の細い道に入って行くN氏とma femme。すると・・・

説明書き
重衡の首を洗ったと言われている池に立つ説明書き
、そこに柿の木を植えたがついに実を付けることがなかったので、「不成柿(ならずのかき)」と呼ばれているそうな。


 武運拙く、はやばや一の谷で俘囚の憂き目となり、鎌倉へ送られた平重衡は、東大寺を焼いた咎により、宗門たちにこの地で首を切られ、般若寺にさらされました。墓はこのすぐ近くの「安福寺」という寺にあります。桜が満開でした。


重ヒラとN氏
満開の桜の下に眠る平重衡。近くに立つ、マスク姿のN氏が怪しく見える。


 重衡の墓を詣でた後、車はしなしなと狭い道を曲がりくねり、茶の福寿園に向かいます。山城は、なんと言っても茶の名産地です(山城宇治茶)。

樋
旧家、福寿園の雨樋、「伊右衛門」の「イ」の文字が・・・
福寿園
モッ君と宮沢りえさんの「伊右衛門」はここでつくられている。


 車の中で、モッ君は行田だか、桶川だかの市長か町長の孫で云々云々と、蘊蓄を傾けるN氏にいちいち頷いていました(「だかだか」は僕の記憶のなせる業、N氏の記憶の曖昧さではありません)。
 そうか、加茂町と埼玉の町がモッ君で繋がっているのか・・・変に納得。そうしながらも、車は次のポイント、高麗寺跡にと向かいます。
 この高麗寺は、飛鳥寺とほぼ同じ時代の創建らしく、最も古いお寺で、帰化人高麗一族の勢力圏を示すものです。するとここでもまた、埼玉との関連性が浮上して来ます。武蔵の国では、高麗川から東京都の狛江まで、帰化人高麗一族の足跡は、地名調布(帰化人の織物の集積地)とともに色濃く残っているのです。

高麗寺
高麗寺跡地。マスク姿のN氏。


 高麗寺は、その礎石だけでかつての栄華を示しているに過ぎませんが、この地の、ひいては大和の発展に寄与した帰化人たちの足跡でもあるのです。

 次に向かったのは、聖武天皇の夢の都とも言われている恭仁(くに)の都です。N氏の愛車のおかげで、歩いたら到底行けないようなこんなところまで来られました。
 宮殿の跡地は、その名も恭仁小学校の隣、老人たちがゲートボールを楽しむ公園になっていました。

みかの原
恭仁(くに)の都説明書き


 ついに、百人一首の和歌

みかの原
わきて流るる
いづみ川
いつみきとてか
恋しかるらむ    中納言兼輔

 の「みかの原」にやってきました。
 ところで、紫式部の曾祖父、中納言兼輔( 877-933)は、一度でもこの恭仁の都に来たことがあるでしょうか。加茂川の堤に邸宅を構えて、堤中納言として、平安の都で優雅に暮らしていた頃、遷都騒ぎから二百年近くたったこの地は、草ぼうぼうの荒れ地となっていたことでしょう。地元の人たちは都があったことすら覚えていなかったかもしれません。
 兼輔は、ただ単に「いつみき」を導くためだけに「いづみ川」を、そして「いづみ川」を導くために「みかの原」を思い起こしたのでしょうか。
 「みかの原を二つに分けて流れる泉川があるが、その「いつみ」ではないが、いつ見たともしれないのに、あなたを恋しく思ってしまうのです」こんな意味でしょうか。

 次にN氏が向かったのは、加茂駅近くのレストランでした。N氏はこのレストランによく出没するのでしょうか。ご主人と昵懇らしく思われます。我ら夫婦は朝食を済ませていましたので、コーヒーだけにしましたが、朝早くから僕たちのためにガイドをしてくれているN氏はモーニングセットを頼みました。本当は、ここでしっかりと食事をしたら面白かったに違いありません。というのは、このご主人は料理の腕前に相当自信があるようだからです。

リュウ
腕に自信あり。


 ところで、まだ10時、これからいよいよ今日最大のテーマ、岩船寺から浄瑠璃寺までのハイキングです。

続く
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国内旅行 | 18:03:54 | Trackback(0) | Comments(8)
コメント
Scipion先生

こんにちは。ご無沙汰しております。
本日、DVDとCD受け取りました!覚えていてくださったのですね!
どうも有難うございます。
Carla Bruniは写真集が話題になっていましたが
たまにはこういうファーストレディもいいのかもしれません。

重衡というと、能の「千手」が思い浮かびます。
正妻がいながら、千手とも心を通わせた重衡の
不遇な最期...
ふたりの女性も(が?)とても気の毒です。

「ノートルダム・ド・パリ」は、この小説を題材にした音楽が良くて、
小説にも興味を持っていましたが未だ読んでいません
(ので、「続きを読む」は拝見しませんでした)。

話があちこち飛びますが、
宝塚でやっている「赤と黒」はどうなんでしょうか?

久しぶりなのであれこれ書いてしまいました。
今年度もよろしくお願いいたします。

2008-04-16 水 18:36:27 | URL | koharu [編集]
koharu さん、こんばんは。
今日一日、この作成中の奈良・京都旅行で知り合ったフランス人ご夫婦と鎌倉を散歩して来ました。何だかすっかり仲良しになってしまったようです。人と人が知り合い、輪が広がるのはとてもうれしいことです。
さて、今年度もよろしくお願いします。DVDが見られればいいのですが・・・
寡聞にして宝塚の「赤と黒」のことを知りません。「ノートルダム・ド・パリ」については、今年度二年生のクラスで、ミュージカルを見て、スクリプトを読むことにしています。このミュージカル、いいですね。
ではまた。
2008-04-16 水 20:49:09 | URL | [編集]
Scipion先生

早速お返事を有難うございました。

>。「ノートルダム・ド・パリ」については、今年度二年生のクラスで、
>ミュージカルを見て、スクリプトを読むことにしています。
あの、
もしよろしければ、このスクリプト
コピーをいただけないでしょうか?
あまりにも膨大な量でしたら、オリジナルをお借りできましたら
自分でコピーしますので!

もとの小説を読む自信がなくて(暗くて重くて長そうなので...)
ミュージカルだととっつきやすいかな...と。

宝塚の「赤と黒」はネット上の感想を読むと結構面白そうなんです。
役者さんに合わせて、多少改作部分があるのかもしれません。
よくわからないんですけど...
2008-04-17 木 15:44:33 | URL | koharu [編集]
kohru さん、こんばんは。
ミュージカル「ノートル=ダム・ド・パリ」のスクリプトは、第一幕27曲です。歌ですので、繰り返しがあり、それほど長いものではありません。
前期の授業で第一幕を終了するつもりです。そのため、注はまだ第一幕分しか作成しておりません。それでよろしかったら、注もお付けします。メールボックスに入れておきます。ご覧下さい。
2008-04-17 木 21:18:37 | URL | [編集]
Muchas gracias!
Scipion先生

早速スクリプトいただきまして、有難うございます!
しかも、丁寧な注つきで感激です。
CDも早速聴いています。
歌詞だけ眺めているより、歌を聴いたほうが絶対わかりやすいですね。
スペイン系のEsmeraldaに断然感情移入してしまいます。

先週いただいたDVDのほう、残念ながら我が家では再生できず...
詳細メモに書いて、先生のBoxに入れておきました。ご確認くださいませ。

久々にフランス語、読んでみようと思います!

(追伸)
鎌倉の記事、オムライスがすごくおいしそうですね!

2008-04-23 水 18:20:32 | URL | koharu [編集]
 はいっ、koharu さん。オムライス美味しかったです。
 ところで、お渡ししたDVDのことですが、実は我が家のDVDプレーヤーでも再生できません。というのは、ヨーロッパ方式だからです。
 でも、パソコンでなら見ることができます。お持ちのパソコン、DVDプレーターが内蔵されていますよね。よろしかったら、パソコンでご覧になりませんか。
2008-04-23 水 21:32:17 | URL | [編集]
そうでしたか!
Scipion先生
ヨーロッパ方式とは露知らず...
PCでは試してみませんでしたので、再挑戦します!

(話すと長くなるのですが3月にDVDレコーダーが、
書き込み途中にうんともすんとも言わなくなってしまい、新しいものに買い替えました。
ところが、新しい機械が、またしてもDVDを入れるとフリーズしたり、
あるいはダビング中にフリーズしたりと怖い状況を繰り替えしていて
先日修理に来てもらったところなんです。
なのでちょっと(いやかなり)こわごわ使っておりまして...)

メカに弱くてすみません!
2008-04-24 木 20:35:59 | URL | koharu [編集]
というわけで...
Scipion先生

お騒がせしました。
今日は経済の日だったので、
先生のBoxにからDVDを引き取って参りまして
ただいま家のPCで見ています。
いとも簡単に再生できました!
そして美しい!姿もフランス語も!
さすがモデルさんですね。
先生お勧めのTout le mondeという曲、いいですね。
有難うございました!
有難く頂戴いたします!
2008-04-25 金 20:00:20 | URL | koharu [編集]
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