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石田明生

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グリブイユ Gribouille
 先週の月曜日、僕はグリブイユをやらかしてしまった。まったくひどい話だ。
 というのは,こういうわけだ。
 月曜日は朝の一時間目から授業なので、最寄り駅を毎週7時台の電車に乗るのだが,先週は乗った瞬間に,車内放送が入り、人身事故のため一時運転を取りやめとなってしまった。人身事故による、運転停止はどのくらいかわからない。実際,案内でも見通しが立たないと言っている。そこで僕は、一計を案じた。
 まだ時間があったので,別の線を使い,遠回りをして行っても授業開始十五分近くの遅れで到着できるのではないか。こうして,僕のグリブイユは始まったのだ・・・


 ところで、「グリブイユ」という言葉は、聞き慣れないのではないか。今手元にある『フランス 故事・名句集 Trésors des expressions françaises』(シルヴィー・ヴェイユ、ルイーズ。ラモー著、田辺保訳 大修館書店)を開くと次のようにある。

グリブイユのやり口 Une politique de Gribouille
 子供の頃読んだ本の中の,かわいそうなグリブイユの話をおぼえていない人があるだろうか。少々お脳が弱い少年で、人をほろっとさせるところがあるくせ、しょっちゅう人にだまされてばかりいる。セギュール伯爵夫人(1799-1874)の著書の一冊『グリブイユの妹』(「妹」ではなく、作品を読むと「姉」だと思う・・・スキピオ)の中に出てくるのだ。グリブイユのもっとも知られた冒険は、次のようなものだ。ある日,散歩していると,にわか雨におそわれた。雨に濡れまいとするが,どこにも隠れ場がないので、とうとう沼の中へもぐりこんでしまう。
 このあわれな物語から、最悪のやり方,・・・つまり避けよう避けようとしながら、以前よりもいっそうひどい、惨憺たる状況へとどうしようもなくおし流されてしまうようなふるまいのことを、「グリブイユリのやり口」と呼ぶ慣習が生じた。(以下略・・・p.261)

グリブイユ
宿敵、オウムのジャコのくちばしを縛ったグリブイユ。
彼はオウムが「バカ」というのを真に受けて、本気で喧嘩をする。
(セギュール伯爵夫人、Bouquins より。「オラース・カステリ」の版画)


 先週の月曜日,結局気をきかしたつもりが,二時間もかかり,教室に辿り着いたのは約四十分後になってしまった。途中で,僕を待つように学生に連絡しておかなかったなら,自然休講の憂き目となるところだった。
 ふと心配になり,僕は学生たちにきいてみた。
 「M線を使っている人はいますか?」
 ひとり、女子学生がうれしそうに手を上げた。
 「はいっ,使ってます。車内でそのまま待っていたら,そのうち動き出し,授業開始の十分前に着きました」
 「えっ!」朝のラッシュに揺られた二時間はナンだったのだ。こうしてあわれなグリブイユのことを思い出したというわけ・・・
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その他 | 16:41:17 | Trackback(0) | Comments(0)
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