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石田明生

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映画『天使と悪魔』を見る。
 昨日(2009. 5.23)、『天使と悪魔』という映画を見た。いつもの通り,新聞代集金のおじさんに映画の券をいただいたからだ。以前書いたかもしれないが,ぼくは、30年来毎日新聞をとり続けている。理由はさまざまだが,そのうちの一つは,読み慣れた新聞を替えるのが億劫だったり、新聞配達人や集金の人にもう止めると言えない気の弱さのせいだったり,ようするに根本は「コンサヴァ」なのだ。
 「配達される新聞をしょっちゅう替える人が、洗剤やら何やらもらって得をするのに,何十年も同じ所から義理堅く(?)、同じ新聞をとっていて損をするのはおかしいのではないか」と、集金の人に文句を言ったのはもう20年も前になるだろうか。すると,集金係のおじさんは「まったくそのとおりです。次にはサービスを・・・」とおっしゃって、考え始めたので,ぼくは、「洗剤やかごはどうでもいいのです。サービスしていただきたいのは,毎日新聞が主催したり後援したりしている美術館、展覧会等の切符です。配達所に何枚も来るんでしょ? それどうしているんですか?」
 この会話は、バブル時代のことだったせいか、おじさんの答えには仰天してしまった。「野球の切符とは違いますので(「読売さん」はそれで有利なんです)、そんなの誰も関心がないので、処分してしまいます」


 というわけで,それ以来,美術館や展覧会の切符をもって来て下さるようになった。じつはそれだけではない。驚いたことに、いくぶんかの「敬意」まで示してくれるようになったから、世の中わからないものだ。
 「奥さん、この『トレチャなんとか』なんていう切符,こんなの欲しいですか?」
 「ああ、『トレチャコフ展』ですか、いただきたいです」
 「へえー、こんなトレチャなんて、知ってんですか。いやね、みんなでなんだろうって言っていたんです。こんなの欲しがるのは、先生のところだけだろうってね」
 じつは、いつ頃からか知らないが,いつの間にかぼくは「先生」になっていた。「僕はあなたの先生ではありません。ですから,先生と呼ばないで下さい」と,何度言いかけたことか。ぴしゃりと言うのも,大人げない気がして・・・いずれにしても,今はとても仲がよくて(と、当方は思い込んでいる)、道端であったりすると大声で声をかけて下さる。気持ちのいい人だ。いつのまにか、美術展以外にも、映画の券ももって来て下さるようになった。
 ところが,せっかく下さる映画券、錦糸町にある東宝系の映画館でしか使えない。さらに、その映画館で扱っている映画は,たいていは僕の関心を引く作品ではない。そういうわけで交通費、往復約千円なりをかけてまで見に行く気がしない。だから普段は錦糸町のほうに住んでいる友人に送ってしまう。そこでまたおもしろいことが起こる。その友人は、まさに東宝系の映画が好きなので、券を送るととても喜び,そこまでしてくれなくともいいのに、ビール券をお礼に送ってくれる。というわけで、おじさんが下さる映画券は,最終的に我が家のビールの泡となってぼくの喉の奥深くに消えてしまうのだ。

 さてこの度は,『天使と悪魔』だったし、勤め帰りのこともあり、錦糸町で鑑賞することにした。
 以前,同じ作者の『ダ・ヴィンチ・コード』を読み,その映画も見ていたので,というよりも、最大の関心は舞台がヴァチカンとローマだったので,食指が動いたというわけだ。
 やはり,アメリカ映画が描くヴァチカンとローマは、すばらしい。『ダ・ヴィンチ・コード』のときのパリもよかった。これがフランス映画やイタリア映画では、自国のせいだろうか,見慣れた,くすぶった街にしかならない。その点アメリカ映画は、どこかに観光的要素や、ヨーロッパの古都に対する敬愛の念があるのだろう、ハッとするような美しい映像を提供してくれる。『ハンニバル』のときのフィレンツェも美しかった。もちろん、かつての名画『ローマの休日』『旅愁』もそうだ。
 さて,映画のストーリーは?
 映画上映中、つまり見ているあいだは,それなりにストーリーの展開を許容して行くのだが・・・当たり前だ,騙されたくて映画館にいるのだから・・・映画終了後に疑問とともに不合理性に次々とぶちあたる。まあ,これもアメリカ映画の特徴かもしれない。
 アメリカ映画(もちろん娯楽映画)は、予告のときが一番よくて,次に上映中、次は終了直後の暗闇の中で,明るい館外に出ると嘘っぽく見えて来て,最後に帰りの電車で騙されたことに気付く。「あれはないよ!」
 もちろんそれでいいのだが・・・いくつか思いつくままに疑問点を列挙してみよう。これもアメリカ映画の楽しみだ(これから映画を観る方はこの先を読まないほうがいいと思います)。

*      *      *


 疑問 1、「反物質」を作るような超近代的な研究所から、目玉をくり抜くほどの荒技をやってのける犯人は? 後にわかるが,あまりに頼りなさ過ぎる。
 疑問 2、イタリア人に「皆さんご存じないのですか」と発言するほどの知識人と思われる主人公のなんとか教授は、驚いたことに、ベルニーニ作の彫刻「法悦のテレーズ」がどこの教会にあるか知らない。ぼくですら知っている。
 疑問 3、ローマ法王代理の高位聖職者が、かつてヘリコプター部隊に所属していたと、わざわざ打ち明けなければならないこと。つまり、空軍に所属したことのある極めてまれな神父の創出。
 疑問 4、ナボナ広場の池に水没した枢機卿の口にゴム管をくわえさせて空気を入れたこと。多分,一瞬にして水が肺に入り,死ぬだろう。
 疑問 5、サン・タンジェロ城には警官たちと一緒に入ったのに,主役の二人だけになってしまう。どうして警官たちはあれほど間抜けで,弱いのか。彼らだって一人前の大人のはずなのに。
 疑問 6、スイスの傭兵隊長は,なぜ手に大事なカギを握っていたのか。それをどうして,主人公たちは大事なものとして、保管しておいたのか。
 疑問 7、車の爆薬は誰が仕掛けたのだろうか。もともと,暗殺者の口封じだろうが,それならば爆薬を仕掛けた部下をも口封じしなくてはならなくなる。
 疑問 8、「反物質」の爆発まで,あと15分ぐらいで,聖ペテロの納骨所まで降りたヒロインの女学者が、爆発を防ぐために、バッテリーを替えようとする時,「爆発まであと7分だけど,寒いので5分もたないかもしれない」と言う。でも,実際は爆発まで何分かかったのだろうか。1時間? 2時間? それとも 5時間?
 疑問 9、パラシュートで目的地に降りる技術は、並大抵ではない(まして爆風が・・・)。彼は,ひそかに日夜練習してたのだろうか。
 疑問 10、傭兵隊長の机を開けるのに、どうして奪ったカギを用いようとしなかったのか。「どこにもカギ穴がない!」という台詞が欲しかった。
 疑問 11、病気がちの教皇を見守るためのビデオを、教皇が死んだあともどうしてまわし続けていたのか。犯人たちの計画の周到さ・巧妙さと比べると,その間抜けさ加減があまりのギャップだ。
 疑問 12、「反物質」という、いまだ誰も扱ったことのない物質を、誰が一種の時限爆弾にしたのだろうか(あるいは、バッテリーの消滅と爆発の関係を知り,その正確な時間を特定したのか)。最後まで,犯人たちの中にそれができそうな学者はおろか,理系の人間すら登場しなかった。
 疑問 13、冒頭スイスの研究所では,イタリア語を話していたのに,システィナ礼拝堂内の枢機卿や聖職者がどうして英語を話していたのか。また、主人公の教授は、常に英語を話していたが,カトリック系の象徴学を専攻しながら,イタリア語やラテン語ができないのだろうか。

 とまあ,思いつくままに書いたが,もちろん他にもたくさんあるだろうし,ぼくの見誤りもあるかもしれない。あるいは勘違いも・・・その辺はひらにご容赦を。
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雑感 | 18:25:54 | Trackback(0) | Comments(6)
コメント
初めてコメントさせていただきます。
火曜2限のLLに出席している『岩〇』です☆

ダヴィンチコードは見たので、天使と悪魔も見てみようかな、と思います。
そして最近はGarouとcorneilkeに魅せられています。
2009-05-24 日 21:40:31 | URL | カモメ [編集]
お久しぶりです。私もこないだ、この映画を見る機会があったので、
先生の「諸疑問」に凄く納得がいってしまいましたw

特に最後の疑問のところは、映画を見ている最中、強く感じましたw

まぁ、なんだかんだ楽しく見ていたので、結果オーライだったんですが。
2009-05-25 月 11:44:22 | URL | titanx2 [編集]
カモメさん、こんばんは。

そうですか、Garou がお気に入りですか。ところで彼のアルバムをお持ちですか。もし,お持ちでないなら,お貸ししましょうか?
Corneille のアルバム『夢商人』も持っています。やはりお持ちでなかったら,おっしゃって下さい。
そうそう、カモメさんと言えば,最近DVDで見た映画『カモメ食堂』(フィンランドが舞台の日本映画)はほのぼのしてよかったです。
また、中島みゆき作詞・作曲の『カモメの歌』をフランス語訳でPatricia Kaas が歌っています。まさに「ど演歌」ですが、暗くていいですね。
2009-05-25 月 23:48:13 | URL | [編集]
titanx2 さん、お久しぶりです。
新社会人の生活いかがですか。

ぼくの諸疑問に同感してくれますか。それはうれしいです。おっしゃる通り,楽しいひとときを過ごせれば、映画鑑賞は大成功です。
さて、次はどんな映画とめぐりあえるか。楽しみですね。
2009-05-26 火 00:16:40 | URL | [編集]
初めましてこんばんは。
先生のブログ見つけましたって言ったものです^^

私も先々週に『天使と悪魔』観てきました。
神父役の人が好きなので観に行ったんですけど、観てる途中、先生の書かれたような疑問をところどころ思いつつ観てました…(・u・;)
特に疑問6はずっと気になっていました。
最後に神父がああになったのは驚いたし少しショックだったけど、スリリングで楽しめたからいいかなって思ってます。

また今度、何か書き込むかもしれません^^
それでは。
2009-05-30 土 19:38:01 | URL | 白月 [編集]
白月さん、こんばんは。

ようこそ遊びに来てくださいました。
いやぁ,映画っていいですね。映画を観る前も,観ている最中も,そして観たあとも,それぞれ、初めてのように楽しめる。それこそ、映画の醍醐味です。

月の申し子ピエロは、いつも真っ白な衣装を身につけて,愛するコロンビーヌを夢見ています。お名前「白月」さんは、白と月がマッチしていてステキです。
また、どうぞ遊びに来てください。
2009-05-30 土 21:18:26 | URL | [編集]
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