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ケータイ禁止と英語の車内放送
10月18日(日)

 学期が始まり、二週間以上が過ぎた。久々電車に乗って通勤すると、やはり相変わらず「ケータイ電話をお持ちの方、優先席の近くでは電源をお切りください。それ以外はマナーモードで」という車内放送が流れていた。何となく、この注意はなくなっているのではと勝手に思い込んでいたので、奇異な感じがした。
 この夏休みは、義母が入院していたために、何度も病院に通い、院内を、病室を行き来したが、ケータイ電話に対する注意についぞ出会わなかった。それどころか、病室内でも使っている人がいたし、それよりもなによりも、電波の放射量がケータイ電話どころではない医療器具がやたらと設置されていた。そういう状況を見ていたので、何となく勝手に、電車内のケータイも解放されたのではないかと錯覚していたのだ。


 先日、たまたま電車の一番後ろに乗っているとき、その放送が流れてきた。僕はあわてて、車掌席をガラス越しにのぞいてみた。いったい車掌はどんな顔をして、「・・・電源をお切りください・・・」と言っているのだろう。
 まだ三十歳にもなっていないのだろう。車掌は、無表情に、ただ覚えた台詞をマイクに向かって言っていた。「・・・、それ以外はマナーモードで・・・」言い終わると、ぼんやりとマイクを元の位置にもどして、向きを変えた。不思議だ。彼は本当にケータイ電話が何らかの危害を優先席にいる人たちに加えると思っているのだろうか。そして、優先席近くの人たちが、彼の注意を受けて電源を切っていると思っているのだろうか。
 彼は本気で優先席近くのケータイを根絶したいと思っているのだろうか。残念ながら、彼の車内放送中の態度は、それとは無縁だったと言わざるを得ない。もしその注意が本気なら、少なくともマイクに向かって発声しながら、僕たち乗客の方を見ても良いのではないだろうか。最後尾の、一部の乗客にすぎないとはいえ、放送の反応を確認すべきではないだろうか。そして、それほどケータイが危険なら、直に優先席に行って注意をしても良いのではないだろうか。
 いや、彼はしない。彼だって馬鹿ではない。優先席、もしくは優先席近くでのケータイ電話の電源切りの無意味さを承知しているはずだからだ。
 以前、どなたかが、ブログでケータイの危険について書かれていたのを読んだことがあった。その方はその方面に詳しいようで、ケータイ電話の電波がいかに心臓ペースメーカーにとって危険であるか述べておられた。もちろん僕もそれに反論するつもりはない。その方は、ラッシュ時の鮨詰め状態でケータイ電話がペースメーカーにほぼ接触するときの危険について話しておられた。全くその通りかもしれない。が、ちょっと待ってくれ。
 僕が耳にする「電源をお切りください」の放送は、いつも空いているときにされている。僕は商売柄、朝のラッシュ時にあまり電車に乗らないが、それでも電車の遅延等でぎゅうぎゅう詰めの電車に乗るときがある。まさにケータイとペースメーカーの接触の危険が生じうるときだ。が、今まで、そんなときにあののんびりとした(ついでに言うと、まの抜けた)「電源をお切りください」の放送を耳にしたことがない(もしも、ケータイとペースメーカーの接触が危険であるならば、乗客のこんな鮨詰め状態のときこそ、「ケータイの電源を切るように」と注意を促すべきではないか)。
 つまり、車掌が暇なときにあの放送はなされているのだ。たとえ、ペースメーカーをお使いの人がいたとしても、ケータイと接触する危険は限りなく低いときのみに放送されていることになる。
 ちなみに、僕はいまだケータイ電話を所有したことがなく、使ったこともほとんどないので、この「嫌みな」放送には直接の被害を受けているわけではない。それでも、何度も何度もつまらない車内放送を聞くのは不愉快だ。

 不愉快と言えば、京浜東北線や山の手線、新宿湘南ライン等に乗ると、必ず放送される英語の車内放送、あれも何とかならないものだろうか。何年か前から始まったものと記憶する。まるで、我が国が植民地、もしくは元植民地のようで、耳にするたびにげんなりする。まさか、あんな小手先の対応で「国際化」などというのではあるまい。
 他の国でも、あのような外国語の車内放送がなされているのだろうか。たとえばアメリカではフランス語やドイツ語で、ドイツでは英語で、ロシアでも英語で?
 少なくともフランスではされていない。国境を越える国際列車ならいざ知らず、都内を走る、いわゆるメトロポリタン交通で外国語の車内放送とは・・・自国をそれほど卑下することもないだろうに。
 こういうと、反論する方がおられるかもしれない。「英語の放送のおかげで、東京の電車が便利になった」「おかげで乗り換え等、簡単になった」・・・英語案内の恩恵を預かっている人は、英語圏の人のみならず、多数にのぼるかもしれない。が、いったいそのような恩恵にあずかっている人はどんな方達だろうか。
 すぐに思いつくのは、東京とその近郊を旅行するツーリストの方達だ。個人旅行で、しかも日本語を全く解さないならば、複雑を極める東京の都市交通は煩瑣以外のなにものでもないだろう。そんなときツーリストは何をよすがに必要な線や車両を選ぶのだろうか。僕も外国にいるときはそうだが、まずは路線図、次に掲示板等の指標を目で見、それだけで合点がいかなければ、近くにいる人か係員に尋ねる。もとより、車内放送はないものと思っているので、車中耳で確認するつもりなどさらさらない(パリのメトロは車中のドア上に、必ず明快な路線図があるので、それを使う)。外国から日本に来るツーリストの方達も、おそらく同様で、車内放送を当てにはしていないだろう。たとえ当てにしても、山の手や京浜東北線の車内放送の内容はたいした情報ではないので使い物にならないかもしれない。車内放送で聴くに値するのは、新宿湘南ライン(つまり長・中距離列車)の、到着予定時刻ぐらいなものか。
 ではツーリスト以外のどんな人が、車内放送を重宝がるだろうか。東京で働く、日本語を解さないビジネスマンか。東京の大学で学ぶ留学生か。あるいは国際結婚をして東京にやってきたばかりの新妻か。
 このように列挙してみると、英語の車内放送の不必要さが自然に露呈する。
 第一に、乗客は車内放送そのものが聞き取りにくく、普段ながされる放送の情報をあまり当てにしていないのではないか。いちばん放送が聞きたいときは、不慮の事故、列車の遅延等々の時だが、そんなときには、英語の放送はされない。外国の人たちだってそんなときこそ聞きたいだろうに。
 こんなことで、観光立国を目指すなどとは、それこそ笑止千万だ。外国の方々には、英語の車内放送などという安易な手段を用いず、ジェスチャーや片言で良いから、直接話をして接すれば良いのではないだろうか。そうすれば外国の方達も日本語を覚えてくれるだろう。このような最も大切なことを、血の通わないテープやCDにまかしてはいけない。日本人と外国人、たとえたどたどしくても人同士の接触こそ、国際化の第一歩だし、観光立国を目指す最低の条件だ。
 また明日から一週間が始まる。気になりだしたら、気になる車内放送だが、耳にふたをするほどおもしろい本があれば問題なし(しかし、それだと降り損じる恐れあり)だが・・・
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雑感 | 18:01:28 | Trackback(0) | Comments(2)
コメント
車内放送について
初めまして。
数日前から、楽しく読ませて頂いています。
時々、娘に誘われて外出しますが、車内放送についてあまり意識していませんでした。
ただ、英語の放送は、聞いて学べるので楽しみです。
煩雑な日々の生活の中での外出は、のんびりと出来、いろいろ見て聞けて楽しいです。
これからも、楽しく読ませて頂きますので宜しくお願いします。
2009-10-21 水 09:37:18 | URL | オリーブの木 [編集]
Re: 車内放送について
オリーブの木さん

はじめまして、拙ブログに遊びにきてくださり、ありがとうございます。
おっしゃる通り、英語の車内放送で、英語のヒアリングを楽しむことができますね。もしかすると、僕のように「げんなり」しているのは、少数派かもしれませんね。
そして、車内放送に「ケチ」をつけている僕も、けっこう放送を楽しんでいるのかも・・・
これからも、よろしくお願いします。
2009-10-21 水 22:38:11 | URL | 石田明生 [編集]
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