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石田明生

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衝撃! ベルトラン・カンタの元妻の自殺
1月11日(月)

 成人式で休みの日、何気なくYahoo France を開いたら、びっくり!
あの強烈なロック・グループ “Noir désir” のリーダーだったカンタの元妻が自殺との報が舞い込んだ。二人の間には12歳と7歳の子供がいたのに・・・
 どうして彼にはこのように「死」のにおいが漂うのだろうか。僕が彼というか彼のグループ「Noir désir(黒い欲望)」を知ったのは、もう10年以上前になる。代表曲『トスタキー「全てここにある」の意味(大陸)』は、グランジ(grunge)というジャンルに属する激しいビート音によるだけではなく、歌詞に込められた知性とポエジーによっても圧倒的な迫力で迫って来たからだ。

http://www.youtube.com/watch?v=zrOUPHGcpqY

上のURLでお聴きになれます。


 その彼は、ハンガリー出身のクリスチーナと結婚し(1997年)子供にも恵まれたのに、ある女性と宿命的な出会いをする。女優のマリー・トランティニアンだ。彼女も結婚をしていたが、いわゆる coup de foudre(雷の一撃)を受け、すべてを捨ててカンタのもとに走った。大恋愛の狂おしいような愛の日々だったに違いない。が、二人の幸せは長く続かない。いや、過剰な幸せは幸せで終わり得ないのかもしれない。
 2003年7月26日の不幸な夜がやって来る。場所はリトアニアの首都ヴィリニュスのホテルだった(だいぶ以前に読んだので少し記憶があいまいですが、間違いがあったら許してください)。多分カンタは酔っていたのだろう。もしかすると両方とも酔っていたのかもしれない。何気なく手に取ったマリーのケータイ電話を見て、彼は激怒してしまったのだ。メールに前の夫からの甘い言葉のメッセージがあったからだ。ロック歌手はマリーを問い詰め、暴力を振るい、気絶させて放置してしまった。
 結果、マリーは後の手当にも関わらず蘇生することはなかった。このニュースは、マリーが名画『男と女』の主役を演じた俳優ジャン=ルイ・トランティニアンの娘だっただけに、世界を駆け巡り、衝撃を与えた。「トランティニアンの娘、ロック歌手に殴り殺される!」
 人気絶頂のロック歌手から殺人者のレッテルを貼られた男の、裁判から刑務所入り、出獄までの4年間は、そして前科者としてのその後は苦しみの期間だったかもしれない。
 この度ニュースを見て驚いたのは、裁判中の弁護から始まり、事件直後から失意の歌手を支えて来たのは、元の妻クリスチーナだったことだ。彼女は、元夫がトゥールーズに勾留中も子供達を連れて毎週面会していた。
 2007年に模範囚だったカンタは仮釈放された。その後、グループは存続していたから、一緒に活動していたようだ。
 2010年1月10日、そのけなげな元妻クリスチーナは、ボルドーの自宅で縊死した(41歳)。遺書の内容等は伝えられていない。そのとき、カンタは近くで眠っていたらしいが、真実なのか。
 
 いらだちや怒りを耳をつんざくようなビートの音楽で、がなり立てるように歌っていたカンタは、こんな歌も作っている。

http://www.youtube.com/watch?v=eUvApC0bwUk&feature=related

 『Le vent nous portera』(風のままに)
 
 Noir désir は、カンタは若者達の圧倒的な支持を受けながら、右翼、とりわけ「国民戦線」に対して激しく対立し、切り崩しをしていた。たとえば、右翼の市長のいる町でわざとコンサートを開いたりするのだ。彼の歌詞は、ボードレール、マラルメ、ランボー等への彼の偏愛から構築されて普遍的価値観を持ち、ブラッサンス、ジャック・ブレルに対するオマージュから反権力の色合いを帯びる。今でもまだ若者達に訴える力があるだろう。

 クリスティーナさんの冥福を祈ります。
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ポップ・フランセ | 17:14:20 | Trackback(0) | Comments(2)
コメント
よく理解できました
私は、夫から、このバンドについて聴いていましたが、たまたま、今日、バンドのコンサートDVDを観て、興味が湧き、もう一度、インターネットで調べ、このページにたどり着きました。日本語での解説、わかりやすい説明で、納得。人との出会いは「C'est la vie 」だと、本当に感じます。
2015-07-25 土 05:16:13 | URL | ももはな [編集]
こんにちは。
ももはなさんこんには。

我が家に立ち寄ってくださり、ありがとうございます。
日本で Noir désir のことをご存知の方は少ないと思います。
それだけに嬉しく、コメントに感謝します。
ちなみに、マリー・トランティニアン主演の映画『絹の叫び』(イヴォンヌ・マルシアノ監督)、
面白いですね。
では失礼します。

スキピオ
2015-07-25 土 10:34:13 | URL | 石田明生 [編集]
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