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石田明生

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冬季オリンピックこぼれ話
 連日、バンクーバーからオリンピックニュースが飛び込んで、テレビ・新聞をにぎわせている。そんな中で出色は今のところ國母という立派な名前を持ったスケボー選手の「腰パン事件」だ。
 なにしろ、制服を着た選手団の中で,制服のブレザーを着ていたとはいえ,シャツはだらだら,ズボンはズリ下げ、ネクタイはゆるゆるぶら下げて登場したのだ。時たま街角や大学キャンパスで見かけるスタイルだ。が、なるほどオリンピック代表団の中に混じると異形の存在という感じは免れない。かつては町中でもあのスタイルは異物のようではあった。人は皆足を長く見せようと靴からズボンから上っ張りまで工夫して来た歴史がある。何しろそれと真っ向から対立するスタイルなのだ。あんな逆転のファッション、何年前から出現し始めたのだろう。フランスでも見かけたことがあるから、日本のオリジナルの格好ではない。多分アメリカから来たものだろう。


 というよりも、今回の騒動でその出所がわかったような気がする。スケボーでアクロバティックに斜面を滑り落ちる遊びをパリやブリュッセルでよく見かけたが、そのファッションが、スノーボード選手の服装と似ている。つまり、あれは例の國母という選手がエントリーしているハーフパイプ競技の選手の服装と同じなのだ。
 だから國母選手の服装は、ハーフパイプという競技そのものから生まれでて来る、いわば必然のファッションということが言えるだろう。なぜなら、競技を見ていて(僕も酔狂だ!)わかったが、あのハーフパイプという競技は、空中にいかにふわりと浮くかが勝負(「エアー」というくらいだ)なのだから、選手の服装もなるべく空気抵抗の高いものが有利となるからだ。泳ぐ時、指の間に水かきがあったらどれほど有利か考えてみればわかる。エアーの技の時、つまり空中に飛び上がった時、選手の股のあいだに水かきならぬだらだらのズボンの股があったなら、空気抵抗をずいぶんと味方にすることができるではないか。
 服装の規定が厳しいジャンプ競技とは違い、服装の規定がないならば(ジャンプ選手にも股のずり下ろしが許されるなら、飛距離が変わるかもしれない)、当然空気抵抗を生み出す服装になる筈だ。
 國母選手のファッションをあれこれ言う以前の問題として、オリンピック競技にハーフパイプという競技を正式種目として入れるかどうかということが問題だったのだ。街のお兄さんがしているスケボーからスノボーのハーフパイプまで、通底しているものは同じだ。つまり、いかに空中にとどまるか、いかに空気抵抗を受けるか、いかに着ている服の表面積を広げるかということだ。
 オリンピックにハーフパイプという競技を正式種目として受け入れたならば、そしてその時の服装規定をジャンプ並みにしないならば、國母風の服装は社会的に通用するものとなっても仕方がないのではないか。
 彼の場合、問題なのは記者会見時の「ちぇっ、セーな」という舌打ちかもしれない。まさに彼がそう思ったそのままがマイクを通して聞こえてしまったのだ。ハーフパイプの選手として当たり前の格好でバンクーバーに来てみれば、服装のことであれこれ言われ、あげくの果てに「反省」を強要されれば、彼ならずとも「うるせえな」と思うだろう。このたびの一連の出来事は、ハーフパイプという競技を正式種目にした時から、起こるべくして起こったことだ。
 ちなみに、銅メダルを取ったアメリカの選手が、祝賀パーティーの折りメダルを股間につけて、なんだか卑猥なことをしたことが動画サイトにのって問題になったそうだが、これも驚くにあたらない。そういう選手、いやそういうあんちゃんが活躍できる競技を、オリンピック競技として受け入れた時からの必然なのだ。
 オリンピックの正式種目ハーフパイプは、この度の金メダリストの競技を見ると、ほとんどアクロバットの域に入りそうだと言える。もしそうなれば、オリンピック競技としての興味は薄れてしまうだろう。何も僕たちはオリンピックでサーカスを見たいわけではない。この競技も、トランポリンと同じ運命をたどるかもしれない。
 あるいは、競技内容をもっと複雑にし、服装をジャンプ並みにして、浮きにくくすることによって、この競技の延命をはかるだろうか。
 オリンピック競技のすごさは、一部の球技(サッカーなど)を除いて、プロ以前の選手がプロ以上の速さ・力・技を見せつけることにある。聞くところによると、ハーフパイプの國母選手はもうすでにプロになっているらしい。アメリカの選手達は知らないが、これでは逆転している。フィギュアスケートの選手も、陸上の選手達も、体操の選手も、柔道の選手もみなアマ引退後プロになっている。
 かつてボーリングをオリンピック種目に、という運動があった。もしそうなっていたら、ボーリングもハーフパイプと同様だった筈だ。プロが出て来て、ボーリングファッションで闘い、アクロバティクッな試合を見せたことだろう。オリンピック種目にならなかったのは幸いだった。
 さて次は、いよいよフィギュアスケート女子、あれこそプロ以前の、プロ以上の技を見せてくれる。楽しみだ。
 えっ? カーリングについては、どう思うかですって。それは次の機会に。
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雑感 | 08:32:33 | Trackback(0) | Comments(0)
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