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石田明生

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冬季オリンピックこぼれ話2
 今回の冬季オリンピックは、いろいろなことを考えさせてくれた。たとえば、又聞きだが、石原都知事が「何で銅メダルで騒ぐのかね?」と言ったとか。どなたかが、それに憤慨しておられるらしい。確かに・・・世界で3番目でも大変なことなのだから。
 もとより、強圧的で差別的な発言をする石原都知事を好むものではないが、他の政治家と違い本音を言うところはおもしろい。実を言うと、僕も高橋選手が銅メダルを取ったとき「号外」が出たのにはぶったまげた。いくら、男子フィギュア初めてのメダルとはいえ、騒ぎ過ぎではないだろうか。だいたい、最近は「号外」の価値が下がって来ていると思う。今手元に資料がないので具体的には言えないが、何度か「号外を出すほどではないのに」と思ったことがある。
 それから、海外のトップニュースという小さなコラムにオリンピック関連がトップになっているかどうか、関心を持ってみるようになった(毎日新聞の夕刊の2面下にある)。すると見えてくる。


 金メダルを取った国のトップニュースに「金メダル獲得」の字が躍るのは、中国と韓国だけで、他の欧米の新聞はあまり関心がないのか、見当たらない。フランスは二つの金メダルを取ったが、フィガロのトップには載らなかったと思う。
 そう考えると、日本の新聞が銀や銅メダルでも何度も一面を飾ったり、号外が出たり、果てやテレビで大騒ぎするのは、石原都知事ならずとも ??? と思いたくなるのもうなずけるではないか。
 金メダルをとれる可能性が少ないのだから、銀や銅メダルをとったとき騒がないと、騒げなくなる恐れは確かにある。要するに騒ぎたいのか。
 話しは少しずれるが、テレビのニュースでオリンピック関連のニュースを見ていて、キャスターはもちろん、解説者さえも憎まれ口をたたかないものだと妙に感心してしまった。僕がその手のニュースを見た限り、そういう人達は日本のオリンピック選手の「弱さ」について誰も発言しなかったからだ。多分日本中の人達がそのこと・・・他国と比べて日本が際立って弱いこと・・・を知っているし、感じているのにもかかわらずだ。
 競技が終わってみれば、彼らは、日本のオリンピック予算の少なさを、アメリカ、ドイツ、中国、韓国等と比較して、慨嘆していた。早く言えば、日本の弱さは予算の少なさにあると言わんばかりだった。
 本当かな? 本当かな、というのは、「各国と比較して本当に予算が少ないのか」という疑問であるし、「予算が潤沢なら本当に強くなるのかな」という疑問でもある。
 まず前者の疑問だが、二宮とかいうスポーツ作家に言わせると、日本は他国と比較して決して少なくないらしい。要は、使い方だ。後者に関しては、小・中・高という教育システムに組み込まれたスポーツ教育(部活やサークル活動)、早く言えば文科省が管理する教育の一環としてのスポーツのあり方そのものが問題のような気がする。スポーツを地域活動の中に組み込むことはできないのだろうか。管理を文科省ではなく、たとえば「スポーツ省」を立ち上げてそれにまかすことはできないのだろうか。もし高校のクラブ活動がなくなれば、高校の先生の負担もずいぶんと減ると思われるが。
 今日の新聞に載っていたが、金メダリストの年収で、トップはフィギュアの金(キム)で、二位がハーフパイプのショーン、それから次々アメリカのスキーヤーたちが続いている。要するに、年収の多い人達が金メダルを取っているのだ。違う言い方をすれば、稼げる競技に力を入れているのだ。ふむふむ、アメリカはあまり地味な競技(バイアスロンのような)では金メダルを取っていないな。待てよ、これは夏のオリンピックでも言えるのではないか。たとえば、ハンマー投げや砲丸投げなど、地味な競技で星条旗はあまり翻ってないような気がする。実はこれは、競技が地味かどうかではなく、プロ化されているかどうかにかかわっているのだ。アメリカが圧倒的に強い競技はプロ化されている競技だ。だから、いくらマラソンが派手な競技でもアメリカは、というよりもアメリカのアスリートは、マラソンがプロ化されて稼げない限り、マラソン競技に食指をのばさないのかもしれない。ただし、いろいろな人がどこの国にもいるから、いつかアメリカ人がマラソン競技で金メダルをとめかもしれない。。
 というわけで、オリンピックで日本が強くなるためには、二つの道のどちらかをとらねばならない。プロ化されて稼げる競技を目指すか、逆にそういう競技を捨てて、地味で稼げないけれど金メダルを取る確率が高くなる競技を目指すか。
 ちなみに、ハーフパイプのショーンなどは、自分専用のハーフパイプを持っているそうな。
 冬季オリンピックが今ひとつおもしろくないのは、冬季五輪が結局は金持ちの国だけが参加する/参加できるお祭りでしかないからだ。その中でも、ハーフパイプとかカーリングなど新しい種目は裕福でなければ身近なものとならない。だから結局はある特定の国々の選手がそれに打ち込み、世界のトップレベルになる。
 ところが、この両競技のように「底の浅い」(失礼!)スポーツは、国策としてオリンピックの金メダル獲得を目標とする国々の標的になりやすい。早く言えば、中国がたちまち強くなるだろう。スキーのエアリアルやハーフパイプのような仕掛けが設けられて成り立つアクロバット的な競技は、見た目には難しそうだが、サーカスやアクロバットを眼中に入れればそれほどではない。
 カーリングの「奥のなさ」(失礼!)は、一時期はやったボーリングに近い。彼らの妙技は見ていておもしろいが、結局はてっぺんが見えている。なぜなら、スキーの滑降やスピードスケート、フィギュアスケートやアイスホッケーで見られる人間の限界ぎりぎりの闘争が見られないのだ。俗っぽく言えば、日本にいくつもないチームから代表となり、世界で勝ててしまうほどの競技なのだ。
 見て楽しいではないか、と反発されそうだが、オリンピックに望んでいるのは、おもしろい競技かどうかではなく、僕たち人間の持つ肉体の限界ぎりぎりの酷使にあるのではないだろうか。人はそこに、男や女の美しい、崇高なエロスを見るのではないだろうか。
 夏のオリンピックで、野球がなくなった。そう,オリンビック競技という次元で見たとき野球はあまりにも脆弱な肉体の闘争でしかなかったのだ。そこにエロスはない。重量挙げ、ハンマー投げ、100メートル競争,マラソン、ハンドボール,サッカー,レスリングや柔道、男や女の肉体のぎりぎりの闘いがエロスの火花を散らすのだ。
 冬季のスキー回転、大滑降,スピードスケート、フィギュア,バイアスロン、ジャンプ、どれをとっても肉体と肉体の限界ぎりぎりの勝負ではないだろうか。
 いやいや,カーリングはそうはならない。驚いたことに,あの競技に男子もあるそうな。男子と女子にどれほどの違いがあるのだろうか。
 カーリングを見て楽しいのは、そしてカーリングの選手を見てうれしいのは,それがまるで自分たちでもできるかのような、自分と同じ人達であるかのような錯覚を覚えるからかもしれない。そのかわり,彼女達は見るものを圧倒するようなパフォーマンスも肉体も見せてくれない。オリンピックは「あっち側」にいる選手を見る楽しみがある。「こっち側」にいる選手を見るには、オリンピックである必要はない。
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雑感 | 23:37:05 | Trackback(0) | Comments(4)
コメント
先生、お久しぶりです!小松です!!

バンクーバー五輪の開会式にガルーが出てましたね!!

私もブログを書いていますのでもしよろしければご覧になってください。

小松成彰の日記
http://komatunariaki.jugem.jp/
2010-03-06 土 00:06:44 | URL | 小松成彰 [編集]
Re: こんにちは!
小松君、今日は!
遊びに来てくれてありがとう。そして,ご指摘ありがとう。残念ながら,開会式を見なかったので,Garouを見損なってしまいました。残念無念。

さきほど、ブログを拝見しました。なんだかほんわかした文章で、暖まる感じがします。「シューマイ話」すてきですね。
そういえば,この前「小松成彰楽団」のCDをいただきました。ありがとう。音楽作りは難しいですが(僕には絶対無理です)、これから先が楽しみですね。
来年度も水曜日にやります。「放課後」だけでも、たまには顔を見せてください。
2010-03-06 土 18:02:42 | URL | 石田明生 [編集]
オリンピックについて
こんにちは。
オリンピックのお話、楽しく読ませていただきました。
「人間の持つ肉体の限界ぎりぎりの酷使にあるのではないだろうか。人はそこに、男や女の美しい、崇高なエロスを見るのではないだろうか。」に はっとしました。
そうだったと。ボーっとしていたなーと反省しました。いつも勉強になります。ありがとうございました。
2010-03-08 月 16:19:12 | URL | オリーブの木 [編集]
Re: オリンピック話にようこそ
オリーブの木さん、こんにちは。
オリンピック話に付き合ってくださりありがとうございます。
僕はオリンピックを考えると、どうしても古代オリンピックのことを考えてしまいます。そして,円盤投げなど古代彫刻に見られる美しい肉体美を頭に浮かべてしまうのです。古い人間なんですね。
明日から,2週間ほどフランスに行って来ます。ですから,その間ブログはお休みします。
これからもよろしくお願いします。
2010-03-08 月 17:35:55 | URL | 石田明生 [編集]
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