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石田明生

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NHKの『日本の、それから』を見て
 今NHKの「日本の、これから」を見た。感想がいろいろ渦巻いてまとまらないので、すぐにみな披瀝できないが、最後のまとめで言った、京大の小倉という教授の言葉についてはひとこと言いたい。
「EUというのは、経済協力の発展した形から生まれたのではなく、デカルト、カントを経て生まれたものです。日韓が仲良くなり共同体になろうとしても、彼らのような人間についての(彼らの場合の人間とはヨーロッパ人のことですが)哲学がなければいけないのです。もちろん、西洋から輸入した哲学ではなく、東洋の日韓独自の哲学がなければ・・・それを考えねば」

 こんなような趣旨のことを言っていたようだ。


 フランスとドイツ(ドイツという国はまだなかった。ドイツ語圏の国)は、様々な軋轢や確執を、少なくとも民衆レベルではどうしようもないほどの乖離と反発を包含していた。今日の討論会で明らかになったように、日本人の日韓史についての無知(アンケートによると日韓併合を知らない日本人が31%)、韓国人の定式化した歴史認識といことでいえば、おそらくフランス・ドイツの一般民衆も同様だったと思う。情報が少なかった分、もっとねじ曲がった形で歴史を共有していた。というよりも歴史そのものを考えていなかったかもしれない。
 知識人であるカントやフーリエが哲学大系を打ち出すことにより、民族主義の台頭をゆるしはするが、民衆は隣国に対する排除や無視に至ることはなかった。また、ヴォルテールやモンテスキューの思想は徐々に汎ヨーロッパ的な国家思想に定着していく。悲惨だったナポレオン戦争は、確実にEUを準備していたのだ。
 小倉氏が言いたいのは、その長い歴史にもかかわらず日韓にはその基軸となりうる哲学思想が欠如しているということだ。ただし彼はことわっているが、その哲学は決して西洋的な思想の流れを汲むものではなく、東洋独自の東洋らしい哲学ではなければならないのだ。日本も韓国もおそらく、元来擁して来た東洋哲学、まして儒教思想に今さらもどることはできない。新たな東洋的な資本主義哲学を、日韓が打ち立てねばならないだろう。
 思えば、長い日韓史の中で、互いに学び合う哲学者も思想家もいなかったか、紹介されて来なかったか、いずれにしても勉強して来なかった。両国の関係からいえば、これはひどい損失だ。小倉氏は、おそらくそのことを言いたいのだろう。
 そういう思想的基盤なしに、利害関係だけの資本主義的な結びつきを重視した日韓関係は、ひどく脆弱なものとなるだろう。そういう関係は、対中国、対米を目指すものでしかないからだ。新たな日韓共通の思想は、対立や暴力を徹底的に排除したものでなくてはならない。
 そのためにはまず、両国の対立の象徴「竹島=ドクト」の問題を解決しうる思想を構築しなくてはだめだろう。
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雑感 | 23:55:26 | Trackback(0) | Comments(0)
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