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石田明生

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会食の楽しみ convivialité の効果
 昨日は、高田馬場のフランス料理店で、同僚の先生方と食事をした。レストランの名前は『L’AMITIE ラミティエ』という。馬場の駅から歩いて5・6分という好位置にあって、値段はランチならフルコース(前菜、主菜、デザート、コーヒー)で1750円、味はパリを歩いていてよくあるレストランに比肩し(それ以上かな?)、ボリュームはたっぷり(パンは食べ放題だが、食べると料理が食べきれないかも)だから、当然のことながらいつも満席だ。ひとりで行っても、予約していないと滅多に入れない。
 12時半から3時まで、我々7人はテーブルに並べられた料理に目を見張り、ゆっくりと味わい、おしゃべりをして、フランス語で言う convivialité を楽しんだ。この convivialité をロワイヤル仏和辞典で引くと「懇親性」と訳されていた。これではさっぱり意味が分からない。そこでロベール大仏和辞典を見ると、「宴会好き、会食趣味」とあった。これもだめだ。どうもうまい訳がないらしい。例文に、「ともに飲み食いする楽しみ」と訳されていたが、これが一番だろう。ランチであれ、ディナーであれ、レストランであれ、個人宅であれ、はたまた高級料理であれ、持ち寄りであれ、仲間とともに飲み食いし、楽しむ。フランスの伝統的な食事の形態だ。適切な訳語がないのは、日本にはそういう習慣がなかったせいだろうか。宴会好きの日本人なのに・・・



 そんな convivialité の最中、K先生がタバコをやめた話をなさった。K先生とは、以前このブログで、柿をくださった先生および柿の木の苗をくださった先生として紹介したことがある。あのK先生だ。
 長年たしなんできたタバコをやめるきっかけは人によってさまざまだろう。かくいう僕も、約20年以上の間まわりの迷惑も考えず、レンガ工場のように煙をプカプカ吐き出して生活していた。ニコチン中毒だった。
 そんな僕が禁煙に至ったのは、家で飼っていたハムスター(名はマルセルという)のおかげだ。というより、ハムスターが原因でぜんそくになり、それで仕方なく止めたのだ。ある夏、毎日毎日ハムスターのマルセルと部屋を同じくし(クーラーはその部屋しかない)、生活していたが、ついに秋口、猛烈なぜんそくの発作に襲われた。近所の医者に行っても、紹介された病院でも、発作の原因が分からず、ひたすら通常の治療がなされた。当然のことながら、タバコなど吸えるわけがない。結局10日ほど入院して、家に帰ったが、完治しているわけでもなく、通院した。タバコは吸えないまま日は過ぎていく。そのうちに、面倒だから、というのもその当時から愛煙家は虐げられていたからだが、タバコを吸うことを止めることにした。しかし、ぜんそくの方はいっかな良くならない。病人らしい格好をして、狭い部屋でひとりぼんやりと、マルセルを眺めていると、突然彼の目つきが意地悪に見えてきた。そのとき、ピンと来た。「そうか! ぜんそくの原因はこいつだ」
 ネット等でいろいろ調べると、小動物によるアレルギーについて、さまざまな動物と症状が出てくるわ出てくるわ。そこで、彼を隔離するため開かずの間に移すことにした。
 結論は、快癒。そして、禁煙という結果が残った。
 ここまで詳しく、食事の場で話したわけではないが、僕が禁煙したことを言うと、K先生が、「僕のは格好がいいんです」と破顔一笑、次のようにお話しをなさった(内容に多少の異同があるかもしれません。ご容赦を)。

 阪神大震災がありましたよね。あの時、友人の家もつぶされてしまいまして、仲間と義援金を集めて、助けてやろうということになりました。そのとき僕が考えたのは、持っていたお金、いわば余り物のお金を友人に恵むということをいさぎよしとしない、ということです。自分が日々の生活の中から、なにかを削って、その金を上げるべきではないか、と思ったのです。そのとき、僕は一年間でタバコ代はいくらになるか計算しました。約7万3千円になることがわかりました。そこで、6万円を友人に、残りの1万3千円を職場からの寄付にまわしました。
 さて、それから一年間タバコを吸わなければいいのです。煙草を吸わないことによって、身を削って友人を救えるのです。そういうわけで、そのまま煙草をやめてしまいました。

 たしかに、僕のハムスターなんかと大違い、格好のいい話だ。タバコをやめたきっかけはいろいろな方から聞いたが、一番いい話かもしれない。先生の場合、タバコの禁煙と阪神大震災が常に結びつき、クロノロジック的にもいい。たとえばお孫さんにそんな話をしたら、おじいちゃんとして、最高の名誉に輝くだろう。もしかしたら、もうすでにしているかな(?)
 職場では出て来ないこんな話を聞けたのも、初めての会食会のおかげ、convivialité のおかげだ。
 ちなみに、この convivialité の値段、グラスに一杯ずつのワインを含めて、合計1万4千円、ひとりあたり2千円だった。

 僕は、この店の名 L’AMITIE と聞いた時から、気になってしかたなかった事柄を確認した。つまり、店の方が、Françoise Hardy の名曲「L’amitié (友情)」をご存知かどうかということだ。
 結果、ご存じではなかったので、前日用意しておいた彼女のCDを差し上げた。ぜひ、このすてきなレストランのテーマソングにして欲しいものだ(以下のURLで聞くことができます)。

http://www.youtube.com/watch?v=MXWfb1PpmbQ
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プロムナード | 15:59:20 | Trackback(0) | Comments(0)
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