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石田明生

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黄色いキリストいる村
 カンペールについた翌日、かねての計画通り駅横のバス停でバスに乗りポン・タヴェンの村に向かいました。8時台のバスに乗りましたが、ブルターニュの村々を走るバスは本当に本数が少なく、1日数本というか細さです。たとえばポン・タヴェンの場合、午前中1本、帰りのバスは14時台と17時台の2本という具合です。また、バスは観光バスのように豪華なのですが、乗客の少なさにはいつも驚かされます。僕たち以外、一人かふたり、多くてもせいぜい5人くらいでしょうか。ある時など、僕たちがいなければ乗客ゼロで走っているのだと思って不思議な感じがしました。この経験はブルターニュに限りません。コート・ダジュールでもニームの方でも同じです。ちなみに、コート・ダジュールではバスの値段は距離にかかわらず(1時間くらい乗っても)1ユーロでした。ニームでは、1.5ユーロ、ここブルターニュでは2ユーロでした。日本ではこのような値段は信じられないでしょうが、公的福利を優先する社会主義的なフランスのような国ではあたりまえなのでしょう。それでもこの利用客の少なさからすると、ほとんどの人はバスを使わず、自家用車を利用しているようです。

ゴーギャン 黄色いキリスト
ポン・タヴェンの村に集まったゴーギャンとその仲間たちは「ポン・タヴェン派」と称された。
彼がゴッホに出会った頃のことだ(1888年)。交通の便が遮断され、隔絶されていたので、
西洋の近代に毒されることなく、昔をそのまま残したポン・タヴェンは
素朴な風景・生活・人情を画家たちに提供した。



 美しい田舎の道を1時間と少し走ったでしょうか、にぎわいを見せる村らしい村にバスは停まりました。ポン・タヴェンです。バス停の近くに橋があり、せせらぎの水のきれいな川がありました。アヴェン川に他なりません。「ポン・タヴェン」とは、アヴェン川の橋という意味です。

アヴェン川と橋
花で飾られた橋

 早速川沿いを、「愛の森」に向かって散歩することにしました。「愛の森」に、ゴーギャンが描いた「黄色いキリスト」のいる教会があるからです。遊歩道は景色も空気もきれいで、まさに町(人口3千人弱の町は村と呼ぶべきか)を挙げて、美化に努めているのでしょう。

アヴェン川とトイレ
川底に揺れている色とりどりの模様は地元の芸術家が「精子」をデザイン化した作品だそうです。


アヴェン川          村の教会
アヴェン川と遊歩道         村の教会

 さらに上流に向かって登りますと、遊歩道は二つに分かれます。僕たちはアヴェン川から逸れて「愛の森」に方向を転じました。その森に、「トレマロの礼拝堂」があるはずです。

標識
バス停の「ポン・タヴェン」から600メートル来たことになります。
これからなだらかな山道を600メートルです。

 森の山道というよりは、並木道のような道を10分ほど歩きますと、前方に目的地の建物が見えてきました。近づくと、道沿いにキャンピングカーが列をなしているのにビックリしてしまいました。のんびりとキャンプをして、ヴァカンスを過ごしているのでしょう。
 僕たちは、多分常駐の司祭もいない、苔むした石造りの礼拝堂に入りました。

トレマロ礼拝堂
建物でいえばまさに平屋建てのような小さくて素朴な礼拝堂です。

 側面の木戸を開けて入ると、内陣は涼しくて気持ちよく、おもわずほっとします。少々薄暗いのでゆっくりと目を慣らしながら、見学します。すると、聖者像たちが、いたるところで僕たちを温かく迎えてくださっておられるのがわかりました。どんなとげとげした性格の人でも、彼らを目の当たりにすれば、思わず心なごむに違いありません。まさに七つの大罪とは無縁の存在たちです。

聖者像 1       聖母子像       聖者像 2

聖者像 3       聖者 4


 でも、肝心の黄色いキリスト像が見つかりません。もしかしたら、もうないのかも・・・と思い始めたそのとき、なんととんでもないところにありました。普通、イエス像やマリア像は聖壇などの中心地、もしくはその周辺にあるのですが、ここでは、天井、つまり信者たちの頭上にありました。しかもとりわけ薄暗いところにあります。目を凝らして見たり、カメラを構えたりしていますと、ビックリするではありませんか、まるで奇跡のように照明が点り、黄色いキリスト像が浮かびあがったのです。「あれだ!」思わず声を上げてしまいました。

黄色いキリスト       黄色いキリスト 2


 頭上に、黄色いキリストは磔刑(たっけい)の姿も痛々しく、おられました。毎日、お祈りに来る善男善女たちに慈しみのまなざしを降り注いでいることでしょう。いや、じっと見つめていると僕のような不信心者にまで、何かを語りかけているようです。今から約120年も前に、信仰心が厚かったとは思えぬゴーギャンも、おそらくは何かを感じ取ったのでしょう。
 黄色いキリスト像を浮かび上がらせた光は、入り口にあった照明でした。スイッチを入れるとキリスト像に光が当たる仕組みになっていたのです。僕たちはそのスイッチに気づきませんでしたが、後から来た見学者の方がスイッチを入れたのです。

 お腹がすいてきました。また村の方に降りて、どこかで昼食をとりましょう。

chambre d'hote
「愛の森」にあった「Chambre d'Hôte」(民宿のような宿)


 ふたたびアヴェン川を下り、村の中心地に戻ります。するとちょうどお昼時だからでしょうか、数少ないレストランの付近には大勢の人がいました。僕たちも、川が見えて景色がよく、それほど高くなくて美味しそうな店を探しました。結局水車のある写真のレストランに入りました(Moulin du grand Poulguin という名前でした)。

レストランの外観 1
アヴェン川に浮かんでいるようなレストラン

 妻は大振りのエビ料理、僕はイワシの塩焼きのような料理を食べました。

カヌー遊び          ポン・タヴェンの街並

アヴェン川でカヌーを楽しむ人               街並み
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2011年フランス旅行 | 11:32:11 | Trackback(0) | Comments(0)
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