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西の果ての県都、カンペール 2
 町の中心はなんと言っても、凛とした美しい姿をどこにいても見せてくれる「サン・コランタン大聖堂」です。

サン・コランタン大聖堂
横から見たサン・コランタン大聖堂

 サン・コランタン Saint Corentin は、400年頃、この地の初代司教だったそうです。大聖堂は12世紀に建設が始まり、完成まで300年近くかかったとか、おもしろいのは、ゴチック建築にもかかわらず、また時代の流行にもかかわらず、聖堂にノートル・ダムの名が冠せられていないことです。カンペールの人たちがそれほど地元の聖者にこだわったと言うことでしょうか。聖堂の中に一歩足を踏み入れると、まずは等身大の彫像群からなる「十字架降下」に驚かされます。なんと言う驚くべきリアリスムなのでしょう。

十字架降下

イエスを囲む人たちは、左からアリマタヤのヨゼフ、聖ヨハネ、聖母マリア、マグダラのマリア、マリア・サロメ、ヨハネの母マリア、降下を手伝ったニコデモです。


 この彫像群は、フロック=ロベールという彫刻家の手によると書かれているが、残念ながら彼の名はWIKIにも出ておらず、詳しいことはわかりません。この作品は、元々ブールジュ大聖堂のクリプトを飾るものだったらしい。それをここカンペールの司教が1868年に移送したと明記されています。
 この彫像群のなかで、際立った姿なのはマリア・サロメかもしれない。少し上体をねじった彼女がいなかったならば、この群像にまったくアクセントがなくなってしまいます。逆に言えば、彼女の存在が全体の調和を形づくっているのです。

マリア・サロメ
マリア・サロメ

 マリア・サロメという女性についても、聖母マリアの姉妹説もありますが、つまびらかではないようです。わかっていることは、この作品のようにイエスの死に立ち会ったこと、香水をいつも携えていたことくらいでしょうか。彼女が抱えている壷には香水が入っていることでしょう。
 次に眼にとまるのは、木彫の「富者と貧者の間の聖イヴ」Saint Yves entre le riche et le pauvreです。16世紀の作とありましたが、素朴な三人の姿はむしろレアリスムの極地といえるかもしれません。

富者と貧者
「富者と貧者の間の聖イヴ」

 大聖堂を中心とする旧市街は、どこもそうかもしれないが、活気があって美しい。日本と違ってどうしてこんなに魅力的な街並となっているのだろう。もちろん、古い建物、もしくは復元された何百年前の建物の景観が美しいのはわかるが、どうやらそれだけではないらしい。商店街を通っても、拡声器の音がしないことによるのだろうか。概して日本の商店街は、何らかの音楽が、時にはひどくセンスの悪い(もっとも善し悪しは個人の好みによるが、だからこそセンスが悪い)音楽がCDなどの機械によって一日中流れていることがある。また、時にはマイクを使った売り込みの声ががなりたてていることもある。さらに言えば、エスカレーターなどの自動機械の注意放送がひっきりなしに流れている場所もある。要するに、生の声でない騒音が激しい、それが日本の繁華街、商店街ではないだろうか。もちろん、それに慣れ切っている日本人にとって、そういう雑音がないと気分が盛り上がらないと思う人もいるだろう。
 だが、僕が問題にしたいのは、機械による音声の問題だ。元気のいい魚屋や八百屋さんのかけ声は、フランスでも日本でも気持ちのよいものだ。同じように生で演奏している音楽家の音楽も耳に快い(へたくそはごめんだが)。日本ではあまりそういう音楽家は見られない。多分禁止されているのだろう。そのかわり音楽は拡声器ということになる。

美術館前の広場
大聖堂横の「ラエンネック広場」、市民の憩いの場となっている。

メダール広場
「メダール広場」で遊ぶ女の子

テール・オ・デュック広場
「テール・オ・デュック広場」

サレ通り
「サレ通り」町はみな三階建てで統一されているらしい。

シャポー・ルージュ通り
にぎやかな「シャポー・ルージュ(赤い帽子)通り」

 街行く人たちの穏やかで平和そうな様子を見ていると、世界中でいろいろな問題が生じているとは考えられません。身の丈ほどのしあわせ、とでもいうのでしょうか、人を出し抜いてまでして有名になったり、金持ちになったりしようなんて、まるで思ってないような人たちに思えます。この感想はカンペールの人たちに失礼なのかもしれません。でもそんな感じを抱かせる街の風景でした。
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2011年フランス旅行 | 11:11:16 | Trackback(0) | Comments(0)
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