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石田明生

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結婚記念日
 先ほど妻が僕の部屋にケータイを手にやってきて、叫んだ。「今日は結婚記念日ですって!!!今、妹からメール来てわかったわ。結婚記念日おめでとう、ですって。赤飯でも焚きましょうか」
 何回目の結婚記念日なのだろう。ふたりともすっかり忘れていた。いよいよ30年目に入った頃だろうか。いえいえ、ちょうど30回目で、どうやら、真珠婚らしい。
 さっそく、自転車に乗って、夕食用に刺身を買いに行った。
 というわけで、ささやかながら、ひとり息子が祝いと称して買ってきたシャンパンで祝杯をあげた。その息子も、今は29歳になっている。時の経つのがなんと速いことか・・・


 よくもまあ、長いことやってきたものだ。結婚の翌日、新婚旅行と称してフランスに行った。あのときは、アラスカのアンカレッジ経由だったので、パリまで一体どのくらいかかったのだろう。大韓航空を使ったので、まずソウルの金浦空港まで、約2時間くらい、それから最低1時間の待ち合わせのあと、アンカレッジまで少なくとも8時間はかかっただろう。そこで給油のための休止を約1時間から2時間はとって、北極上空を飛んで一路パリに向かった。やはり8時間はかかったろう。合計、21時間になる。着陸した飛行場は今のシャルル・ド・ゴールではなく、パリの南に位置するオルリー空港だった。そこに友人のH君が迎えにきてくれて、待っていたっけ。彼はフランスに留学中で、すでに結婚していて元スチュワーデス(今はこう呼ばないが、当時はこう呼んでいた)の日本人女性を妻にしていた。高校のときの後輩だったらしい。そういえば、ちょうどその奥さんは赤ちゃんを出産したばかりだった。それでは、あのときの赤ちゃんは今30歳ということか。
 友人のH君は僕たちのために、サン・ジェルマン・デ・プレ教会の近く、ブラッスリー「リップ」のとなりに二つ星のホテルを取ってくれていた。二つ星といっても、最近泊まっているような安ホテルと違う、なかなか立派なホテルだったと記憶している。僕たちの部屋は、確かロココ調の家具のある、18世紀風の部屋だったと思う。
 投宿するとすぐに、フランス人の友人、今は亡きセルジュの家に電話した。当時セルジュはアルザスの税関に勤めるいわゆる役人だった。僕たちがパリにいる時、ワザワザ休暇を利用して、会ってくれた。次の写真は、ホテルにて、セルフタイマーで撮ったときのものだ。

セルジュと
このホテル『タランヌ』は後に三ツ星のホテルに格上げした。
でも、今はもうなくなってしまったかもしれない。

 この写真を見ると、懐かしさがこみ上げる。これを書きながら、目がうるうるしてきたのは、花粉のせいだけではないようだ。このときのセルジュは健康で明るい好青年だったのに、後に若くして病気を患い、夭逝してしまった。残されたご両親の嘆き、悲嘆は察するにあまりある。実はフランスに行くたびに、ヌヴェールにある彼の墓を詣でている。
 何日かパリに滞在したあと、二週間のユーレルパスを使って、リヨン、グルノーブル、ミラノ、ローマ、ヴェネツィア、ウィーン、ザルツブルグ、ミュンヘン、ストラスブールと、スイスのまわりを一回りして、パリに戻った。

サン・タンジェロ
ローマのサン・タンジェロ城の前で

 ストラスブールで、セルジュと待ち合わせをしていた。彼が、安価ではあるが、とても素敵なホテルを取っておいてくれた。その時、初めてアルザス名物の「シユー・クルット」を食べた。もちろん、セルジュに薦められたからだ。

ストラスブール
ホテルの部屋にて、セルジュが撮影。

 刺身と赤飯の夕食後、妻が納戸の奥深くにしまわれていたこの旅行写真を持ってきた。分厚い2冊のアルバムには、忘れかけていた30年前の僕たちが写っていた。まだ髪が黒々として豊かで、なにがしかの野心めいたものを抱き、怖いもの知らずのような僕がいた。あれから30年、子供が生まれ、子供の小学入学、中学・高校・大学入学、そして、就職、というように子供の人生の節目をいつの間にか生きる指標にして、膨大な分・秒を刻んできた。そのひとり息子は給料取りとなって、我々夫婦にプレゼントを買ってきてくれるようになった。僕はといえば、出世するわけでもなく、もちろん金持ちになるわけでもなく、なんとかやりくりして生きてきた。というわけで、この30年事故や事件に巻き込まれることもなく、ただ平凡に時を過ごしてきただけだったが、これが凡夫のなせる技、ならぬ凡夫の人生・・・まあっ、いいか。
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その他 | 13:54:43 | Trackback(0) | Comments(2)
コメント
惹かれて・・
片思いのように、密かにブログをみていたのですが、
ついコメントを入れてしまいました。
30年前の貴重なお写真をみつけ、余程嬉しかったのでしょう~
 
パルファン光


2012-03-10 土 01:33:03 | URL | パルファン光 [編集]
Re: お恥ずかしいかぎりです。
写真、お恥ずかしいかぎりです。でももう30年も前のものですから、お許しを。
いつも、書きなぐりのブログに付き合ってくださり、ありがとうございます。
でも、パルファンさんの写真とスケッチのほうが千倍もすてきです。
これからもよろしく。

Scipion
2012-03-10 土 10:29:33 | URL | 石田明生 [編集]
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