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石田明生

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映画『ジャック・ソード 選ばれし勇者』を見る。
 この映画は日本未公開という話だ。とても残念。これがハリウッド製でアメリカの人気俳優がでていたら、どれほど評判になったか。いやいや、時代背景というか歴史的背景があまりわかっていない日本では、やはり今ひとつかもしれない。第一に、この映画の邦題もよくわからない。原題は"Jacquou le Croquant"という。直訳すると「百姓ジャクー」となる。Croquantは、16から17世紀にフランス南西部で反乱を起こした農民たちを指すが、この映画の時代設定は1815年から1830年だから、その反骨精神を受け継いだ庶民を表しているのだろう。その証拠に、舞台はボルドー東のペリゴール地方となっている。
 原作は19世紀末の小説『Jacquou le Croquant』(1899年)で、作者はEugène Le Royという作家だ。フランスのwikiによると、かつて、テレビドラマにもなっていたらしい(1969年)。


 確かに、テレビドラマにしたら、毎週毎週手に汗握るおもしろいドラマになっただろう。
 時代は、先ほども書いたが、ワータルロー以降つまりナポレオン没落の時代から始まる。この王政復古の時代は、共和派はもちろん帝政派(=ナポレオン派)も、亡命を余儀なくされ恨み骨髄のエミグレ(émigré 革命時の亡命貴族)たちに迫害された。とくに、ユルトラといわれる過激王党派の貴族たちは、完全に革命前の状態に戻そうとした。この映画の敵役となるナンサック伯爵もそうしたユルトラのひとりだった。対して、ジャクーの父はナポレオン軍で戦った元大佐、当然迫害の対象となり、つまらない事件で殺人犯にされて、投獄、死に至る。
 少年ジャクーも、人殺しの子として社会から追い出されて、母をも失い、飢え死に寸前にまで追い込まれる。子供心に死を覚悟したとき、反王党派の神父や医者に助けられて、逞しく成長する。文字を読めたおかげかもしれないが、神父の助手をして村に住みつき、母親に誓った父の復讐の機会を待つ。彼と恋中になる幼なじみの少女、彼への抗いがたい恋心に苦しみ逆に憎悪をつのらせる高慢な伯爵令嬢、危機に陥り、強靭な肉体と意志の力で乗り越える主人公ジャクー、人物たちは少々ステレオタイプかもしれないが、そのために時代劇的な娯楽性は否が応でも増して、見る側のアドレナリンはヒートアップする。

 この映画に関心を持ったのは、実を言うと物語や俳優ではなく、監督の名前からだった。この映画の監督は、なんとなんと、以前紹介したMylène Farmerの作曲を手がけているLaurent Boutonnatだったのだ。彼女のPVを見て、その映像の美しさはわかっていたが、これほどの大作を作っていたとは。映画の中でも、フランスの田舎の美しさはもちろん、登場人物とりわけ子供たちの映像もいい。主役のジャクー役は9歳時と青年時のふたりが演じている。が、いつもそうだが、子供がかわいいし、演技も抜群だ。

http://fr.video.search.yahoo.com/video/play?p=jacquou%20le%20croquant&tnr=21&vid=1519130378752&l=49&turl=http%3A%2F%2Fts1.mm.bing.net%2Fvideos%2Fthumbnail.aspx%3Fq%3D1519130378752%26id%3D3cf08b7ec0499d73cb32c1b5e836b757%26bid%3DOXXszQG8jPyyJQ%26bn%3DThumb%26url%3Dhttp%253a%252f%252fwww.premiere.fr%252fBandes-annonces%252fVideo%252fJacquou-le-Croquant&rurl=http%3A%2F%2Fwww.premiere.fr%2FBandes-annonces%2FVideo%2FJacquou-le-Croquant&sigr=120rb4f5r&newfp=1&tit=Jacquou+le+Croquant+-+Bande-annonce

 DVDを借りて見たのだが、映画館だったらどれほどの迫力だったろうか。上映されないのが残念だ。ちなみに、音楽はブートナ、主題曲を歌っているのは、もちろんミレーヌ・ファルメールだ。
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雑感 | 18:54:58 | Trackback(0) | Comments(0)
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