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石田明生

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「義」の不思議
 今日は朝一番で歯医者さんに行った。悲しいことに、歯周病とやらが原因なのだろう、昨日、弱った歯を抜いたが、そこに義歯を入れるための準備をしたのだ。義歯は来週出来上がるらしい。
 ついでながら,弱った他の部分も洗浄消毒してもらったが、口を開けて、何やらガーガーされているときに、ふと疑問が湧いた。「義歯」というけれど、どうして入れ歯のことを「義歯」というのだろうか。さっそくその疑問を担当の歯医者さんにしてみた。
「どうして、義歯の義は正義の義なんですかね。入れ歯の意味とあまり関係なさそうですね」
すると先生は、
「はい、義足とか義眼とかと同じ字を書きます。でも確かに,どうしてなんでしょう」
そこで僕の思いつきを披露してみた。
「義足や義歯の義は、本当はにせもの・本物でないを意味する《偽》だったのではないでしょうか。《偽歯》では、何となく具合が悪いので,音が同じでしかも良い意味の《義》の字を当てたとか」
「そんなこと考えたことありません。やっぱり語学の先生は・・・」

 と,こんな会話をして、家に帰り,さっそく広辞苑を開いてみた。


ぎ【義】①道理。条理。(略)「正義」
    ②利害を捨てて条理に従い,人道・公共のためにつくすこと。「義士」
    ③意味。わけ。言葉の内容。「語義」
    ④[仮の意味](イ)他人と名義上、親子・兄弟など肉親としての縁を結ぶこと。「義母」(ロ)実物の代用とするもの。「義手」
    ⑤キリスト教で、神の正しさ。また人の、神の前の正しさ。

 以上の通りだが、四番目の(ロ)の意味であることは明らかだ。つまり、「義兄弟」などの義が転じたものと解釈していることになる。しかし、疑問は払拭しない。「広辞苑」様に逆らおうとは思わないが、「義母」と「義手」を同じ項目としてたてていることに無理はないだろうか。ちなみに同じ広辞苑で「義理」を引いてみると、

ぎり【義理】⑤血族でないものが血族と同じ関係を結ぶこと。「義理の母」

 歯や足や手は、「義理の歯」「義理の手」「義理の足」とはどう考えてもなりそうにない。むしろ「義母」が「義理の母」のつづまったものと考えたほうが合理的だ。
 そこで、大修館の「新漢和辞典」で「義」を引いてみた(省略あり)。

【義】①よい。ただしい。②のり。みち。人のふみ行うべき正しい道。正義。③君臣のあいだの道徳。五輪の一。④人道のために尽くすこと。⑤すぐれる。善行が人よりすぐれる。⑥わけ。むね。意味。⑦道理。⑧血族でないものが血族と同じような関係にあること。義理。「義兄弟」⑨かり(仮)。実物のかわり。「義足」

 ここでは、「かり」の意味と「義理」の意味は別項立てになっている。それにしても、最後の⑨は、他の意味から比べてだいぶ距離があるような気がするが、どうだろう。
 近所の酒屋さんに「豆腐」が売られているが、そこの看板には「豆腐」ではなく「豆富」と書かれている。「腐る」と言う字を避けて、同じ意味でしかもめでたい字を当てている。「義歯」も「偽歯」の「豆富」版だろうか。そうだとすれば、「豆富」よりもよほど古い時代に転じたのだろう。もちろん、真偽のほどはわからない。今僕にとって重要なのは、来週の「義歯」がうまくマッチするかどうかだ。なにしろ、夏のフランス旅行がひかえているのだ。
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雑感 | 11:22:37 | Trackback(0) | Comments(0)
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