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石田明生

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山桃の実
 昨日、生まれて初めて(たぶん?)、山桃を食べた。大学の職員さんが、門近くの木からとって来たのだ。長い間、この大学に勤めていたのに、こんな実があったとは、つゆ知らなかった。今までの係の職員さんも知らなかったに違いない。というのも、今回の方はこの四月からいらっしゃった方だからだ。
 まずは写真をご覧ください。

山桃1            山桃2
美しい山桃の実、桃とはいえ、これは、バラ科の桃とは違い、ヤマモモ科なのだそうだ。


 一くち口に含むと、口内に野趣あふれる酸っぱさとほんのりした甘さが広がった。


 なかなかの美味だと思うが、現代の乱食の時代には生き残れないのだろう。くだものとしてあまり見かけない。ジャムや焼酎漬けにするといいのかもしれない。
 どなたか、古文の先生が、『大和物語』の一ページをコピーしてくださった。そこには、ある女御が別れる男に「やまもも」を贈る一節があった。平安の昔、果物の甘さは格別のものだったのだろう。

 おなじ人(1)に、監(げん)の命婦(みょうぶ)、山ももをやりたりければ、
   みちのくの安達の山ももろともにこえばわかれの悲しからじを・・・(陸奥の安達の山も、あなたといっしょに越えるのならば、別れることがこんなに悲しくはないでしょうに)
となんいひける。

 (1)は征東大将軍、藤原忠文の息子のこと。歌中に「山もも」と読めるのがみそだそうだ。

 別れいく愛する男にあげるくらいだから、山ももの貴重さがしのばれる。ところでこの男、「道にて病してなむ死にける」。それを聞いて、女はひどく悲しんだそうだ。
 しみじみとした恋情も、人の世のはかなさも、山ももの実の美しさゆえに際立つというべきか。

 山ももの 実にいにしえの 恋宿る (明生)

山ももの木 実              山ももの木
山ももの木


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日常スケッチ | 11:23:35 | Trackback(0) | Comments(0)
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