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石田明生

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2014年のフランス旅行計画
 今週の金曜日、フランスに向けて出発する。今回のフランス旅行は少々変則だ。というのも、2週間の旅程のうち、前半の一週間は妻の妹二人も同伴なので、4人のミニグループ旅行になるからだ。
 まずパリに1日滞在し、翌日、印象派絵画の源泉を求めて三泊四日のノルマンディー旅行に出発する。最初に滞在するのはルーアン。僕自身はルーアンに何度か行っているが、宿泊するのは初めてだ。今回の目的は宿泊することにある。
 印象派の巨匠モネの絵で有名な、ルーアン大聖堂は、日没後、彩光を当てられて、それはそれは美しく変身するそうだ。その光の大聖堂を見るのが第一の目的だが、妻のふたりの妹は、ルーアンを訪れたことがないので・・・というよりもこれからの旅行は、常に二人にとって初めての地となる。とりわけ妹の一人は印象派の絵が大好きなので、印象派の聖地を見せてあげたい、という気持ちが、姉心にあるのかもしれない。姉の優しさ ???


 翌日は、いよいよ今回のフランス旅行第一の目的地、エトルタに行く。これまた印象派の画家たちに幾度も画布に写された、景勝の地だ。20年以上も前、僕は一度行ったことがある。もう一度行きたいという思いはずっとあった。それほど美しい小さな港町(以前は漁村といった方がふさわしかった)だ。いや、美しさは港町にあるのではない。その町を挟む絶壁にあるのだ。英仏海峡の海を臨んで、100メートルに達しようかという絶壁が、偉容を誇り、その上から見る海へと沈む太陽は、モーパッサンの中編小説『ミス・ハリエット』に余すところなく描かれている。前に滞在したときは、残念ながら、曇り空であった。今年こそ。
 画家の卵の語り手の青年は、エトルタの北に位置する小さな村にやってきました。そこには以前から、プロテスタントに凝り固まったイギリス女が、どこからか来て滞在しています。村人たちに煙たがられ、誰とも打ち解けていなかった彼女は、画家の絵を見て、心を開き、口をきくようになりました。そうしたある夕方・・・

 いよいよわたしたちふたりは絶壁のふちにいき、眼下百メートルしたでさざ波をうち寄せる広大な海のうえに立ちました。そのままわたしたちは、口をあけ、深呼吸をして、さわやかな海の息吹をのみこみました。波の長い口づけを受けて塩気をおびながら、ゆったりと大洋を渡ってきて、わたしたちの肌をなでつけるあの海の息吹です。
 四角いショールに身をくるんで、霊感を受けたように口をあけて歯をむき出しのままイギリス女は、巨大な太陽が海に沈むのをうちながめていました。前方はるかかなた、視界ぎりぎりのところで、帆を張った三本マストの船が一そう、まっかに燃えあがった空にそのシルエットをえがいていました。手前では一そうの蒸気船が煙をモクモクとあげて通りすぎ、水平線いっぱいにのびた限りなく長いひとすじの雲を後方にたなびかせていました。
 赤い火の玉はあいかわらずゆっくりと沈んでいます。やがて停泊した船のちょうどまうしろで水面に触れると、まるで炎の額縁の中におさめようとするかのように、燃えさかる天球のまんなかに船をいれました。そうして少しずつ少しずつ大洋にむしばまれ、のみこまれていきます。
 目の前で夕日が入水し、沈み、ついには没し去りました。これでおわりです。唯一さっきの小さな船だけが、はるかかなた、空の金屏風にその船影をくっきりと浮かびあがらせていました。
 ミス・ハリエットはくい入るようなまなざしで、火炎につつまれた日没を見ていました。彼女が空も海も水平線ごとそっくりその腕に抱きしめたいというがむしゃらな欲望につかれているのははためにもあきらかでした。(『ミス・ハリエット』石田訳 p.27 パロル舎)

 もし晴れていれば、目にはいる情景は同じだろう。問題はむしろ時間だ。日没は何時頃だろう。女性3人を同伴してあまり遅くまで絶壁の上にいることはできない。
 エリック・ロメール監督の映画『緑の光線』に、大西洋に沈む太陽が沈む瞬間に緑の光線を放った場面があるが、それは期待できるだろうか。実は『緑の光線』というのは、ジュール・ベルヌの小説の題名で、映画はそれをふまえて作られている。小説では、その緑の光線を見るのは、もっとずっと北のスコットランドだ。映画の方は逆に、スペインに近い南のビアリッツの海だったと思う。
 いずれにしても、楽しみがいっぱいのエトルタ旅行だ。もっとも、旅行は、旅行の準備段階が一番楽しいとも言われるが、その通りかも。
 次に目指すのは、小さな港町、印象派の画家たちがこぞって滞在し、描いた町オンフルールだ。作曲家エリック・サティーがこの町で生まれたのもおもしろい。モンマルトルで夜な夜な印象派の画家たちと飲み歩いていたのも偶然ではないだろう。
 最後は、昨年にも訪れたトゥルーヴィル・ドーヴィル。妻は最近すっかり、サヴィニャックに凝っているのでもう一度、どうしてもトゥルーヴィルに行きたいらしい。
 
 4人の旅人の思いは、来週にも、それぞれ開花する。どんな旅になるか。まずは無事なこと、次に小さくともいい、何か感動を味わえたら、良いのだが。それよりも、姉妹喧嘩をせずに仲良しでいられれば、御の字かも・・・(難しい立場の人、記する)
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雑感 | 18:10:48 | Trackback(0) | Comments(2)
コメント
エトルタ
こんばんは
この夏の旅行の前半のあらましはわかりましたが、後半はどうなるのかしら?
エトルタは、カーン滞在の時行きたくって検討したのですが・・
子供の時に読んだルパンの“奇岩城”なんぞ再読して。
モーパッサンにエトルタを描いている小説があるとは知りませんでした。
楽しいご旅行を!
2014-08-11 月 22:40:19 | URL | パルファン光 [編集]
Merci!
パルファン光さん、おはようございます。
遊びにきてくださり、ありがとうございます。
エトルタでは、作者 Maurice Leblanc の家だった Lupin 博物館に行くのも、楽しみの一つです。もちろん、「奇岩」に可能な限り近づくつもりです。

旅程の後半は、今日にもアップします。
では失礼します。

スキピオ
2014-08-12 火 06:05:13 | URL | スキピオ [編集]
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