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石田明生

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ゴッホ終焉の地
 ノルマンディーの旅から戻って翌日は、パリ近郊の村、Auvers sur l'Oise に行きました。車ならひとっ走りというところでしょうが、電車ではそうはいきません。ポントワーズ Pontoise という町まで30分ほど乗り、そこで乗り換えて、15分くらいでしょうか。Oise川をひとまたぎして、完全な無人駅のシャポンヴァル Chaponval という駅で降りました。

Chaponval
切符の自動販売機がおいてあるだけの無人駅。ここに来るまで一度も検札にこなかった
ので、薩摩の守をしようとすればいくらでもできそうだ
(昔ただ乗りのことをこう言った。薩摩の守平忠度の名前から)。
このおおらかさがフランスらしい。


 ここで降りたのは、近くのオワーズ Oise 川で、アンリ・ルソーが美しい風景画を描いたからです。写真の左手奥の道を少し行くと、オワーズ川に突き当たり、そこに、彼の絵の看板がありました。

Henri Rousseau        オワーズ川白鳥
税官吏ルソー『オワーズ河畔』ここに描かれているように、船はなかったが、
白鳥が一羽気持ち良さそうに泳いでいた。




 このシャポンヴァル駅からオーヴェール駅までひと駅です。その間、ゴッホやセザンヌの描いた村の家々を見ながら散歩します。人通りのない細い道をぶらぶら行くと、先のような看板が立って、画家が描いた場所を示しています。昨年は、セーヌ河畔を歩きましたが、やはりこうして画家の足跡を示していました。アマチュアの印象派好きにはうれしい限りです。
 もちろん、全ての看板と風景を写真に収めましたが、あまりに多くなるので割愛して、ゴッホの有名な『オーヴェールの教会』の写真・・・これを省くわけには行きません・・・を貼付けましょう。

L'glise d'Auvers             ゴッホの絵『オーヴェールの教会』
教会は100年前と変わらずにあった。
凡人の私に見える対象と狂気の天才の目が見つめた対象はどれほど違うことか。


 この教会の前を右手の丘に登ると、ゴッホが自らの腹部に銃を撃ち込んだ畑が広がっています。その畑を彼は、自殺する前に、一枚の傑作、見るものを不安にさせ、さまざまな実存的な瞑想に陥らせる絵画にしました。それが『カラスのいる麦畑』です。

Gogh の絵         絵に描かれた麦畑
残念ながら、私が見た畑はゴッホの絵の主題となっている収穫前の麦畑がないため、
それほどの相似感はない。


 1890年の5月に、喧噪のパリを嫌って、パリから30キロほどのオーヴェールに、ガシェ医師を頼ってやってきました。アルル、サン・レミで、発作と狂気に襲われた恐怖を抱えての静養でした。散歩したのでわかりますが、村は静かで、素朴で、ガシェ医師とも馬が合い、ゴッホはやっと安住の地を得たかのようでした。

ガシェ医師
ガシェ医師の説明パネル。
彼の家は現在、記念館になっていて、無料で見学できる。


 弟のテオ夫妻にも何度も一緒に住もうと手紙を書いています。教会の絵はやってきてひと月後の6月に、そして『カラスのいる麦畑』は2ヶ月後の7月に描かれ、7月27日に腹部に銃創を受けたゴッホが発見されました。自殺と思われています。場所は、絵に描かれた畑で、そこから傷を負ったまま自分の家まで降りてきたようです。銃創は心臓を外れて腹部に向かっていたとあります。耳切事件で有名なゴッホの切断された耳は左耳です(絵で見ると右耳であることに注意すること、鏡を見て描いているから)。ということは、たぶん、利き腕で切るでしょうから右利きということになります。つまり、右手で心臓を狙ったがずれたということでしょうか。翌日手紙を受け取った弟のテオは、すぐに駆けつけ、臨終に間に合いました。
 そのテオも、翌年兄の後を追うように、亡くなりました。二人は、後にテオの妻の計らいで、オーヴェールの墓地に二人並んで埋葬されました。愛憎入り交じった壮絶な兄弟愛がそこに眠っています。

テオと並ぶゴッホの墓
まるで二人同じ布団にくるまっているようなゴッホ兄弟の墓

 レストランは何件かしかなく、昼食をとるのも大変でした。もっとも、裕福な人なら、ゴッホが滞在し亡くなった下宿の持ち主、ラヴー家が経営しているレストランに入ればいいのですが・・・
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2014年、フランス旅行 | 15:30:41 | Trackback(0) | Comments(0)
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