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石田明生

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ゴールデンウィークの東京散歩
 ゴールデンウィークの、夏日となった一日、目白駅を出て、落合の街を歩いてみました。
 次のようなコースをとりました。僕にとっては初めての景色でした。
目白駅→バプテスト教会→おとめ山→七曲坂→氷川神社→野鳥の森公園→薬王院→レストラン→目白駅

目白駅.JPG
目白駅


 目白は、江戸五色不動の一つ「目白不動」があったことからついた地名です。
 ちなみに他の御不動さんは、目黒、目赤、目青、目黄の四つで、だいたい江戸の町を一回りしていました。目白以外では地名として目黒が残りました。
 この五色の不動をトリックに使い、シャンソンとからみ合わせて書かれた推理小説が、「虚無への供物」(中井英夫)です。ずっとまえにNHKで映像化されたことがありました。深津絵里という女優(中で彼女はシャンソンを歌っていました。歌手という役どころでしたから)、仲村トオルという男優をそのドラマで初めて知りました。



 まずは、「おとめ山」を目指しました。「おとめ」と耳で聞いていましたので、「おとめ」と平仮名で書いてあるのを見てびっくり。後に理由がわかりました。

おとめ山.JPG


 「おとめ」とは「乙女」ではなく、「御留」または「御禁止(おとめ)」という漢字を書くそうで、「立ち入り禁止」の意味なのだそうです。新宿区もさすがにこの字を使うことはできないのでしょう。誰も公園に入れなくなりますからね。
 ちなみに、ここは将軍の狩猟場でしたので、「立ち入り禁止」になっていたから、ということです。

シャガ.JPG
シャガ


 うっそうとした深緑のなかに、シャガの花が白く、美しく映えます。

池.JPG


ザリガニ.JPG
ザリガニとり


 小川と池で、子供たちに混じって、お父さん、おじいさんも本気でザリガニとりに興じていました。今日はザリガニ受難の日です。


忘れな草.JPG

忘れな草

 公園を出ると、小・中学校がならび、そのあいだの小さな道に忘れな草が咲いていました。フランス語で myosotis と言います。ロベール辞典によると、ギリシャ語の「ネズミの耳」から来ているそうです。そう言われると似ていますか。「忘れな草」という命名はどうやら、ゲルマン、アングロサクソン系の言語のようです。


【七曲坂】
七曲坂.JPG


 小学校裏にある下り坂の名は、七つのカーブがあるのでその名がついたそうです。
 よく考えてみると、パリには、というよりフランスには(もしかするとヨーロッパには)、坂がないことにふと気付きました。
 そうです、このたびもモンマルトルの坂道を何度も上り下りしたけれども、その道に「・・・坂」という名は付いていなかったと思います。たとえば階段のある「モン・スニ通り」は「通り」という名は付いているけれども、坂や階段に名は付いていません。
 その点、日本では通りに名がないのが普通ですが、「男坂」「女坂」「道玄坂」などなど坂に名がついている場合が多々あります。
 つまり、日本人は坂に対する思いが強いということです。
 横溝正史に『病院坂の首くくりの家』という小説がありますが、これも「坂」のイメージが一役買っています。また、漱石の『草枕』の有名な出だし、「坂道を上りながら考えた。・・・ 対して、フランスの小説に「坂」が付く題名などないかも知れません。これはおもしろい。
 東西の民話や伝説などを読破して、坂にまつわる物語を見つけてみたい。
 ちなみに、フランス語で坂にあたる語は pente でしょうか。もちろん、ここに「坂」という意味はありますが、「傾斜・斜面」のイメージが強すぎます。


薬王院
薬王院.JPG

東長谷寺 瑠璃山 薬王院


 東長谷寺となっているのは、有名な奈良の長谷寺に対してでしょうか。それならば、鎌倉の長谷寺はどうなるのでしょう。

薬王院.JPG
【薬王院、本殿】


地蔵.jpg
【お地蔵様・・・薬王院】


 こんなお地蔵様と出会いました。
 本来地蔵菩薩はこの世を遍歴し、如来になるために厳しい修行をしている仏様です。ところが、我が国の民間信仰は諸国遍歴という伝説から、路傍にたたずむ身近なお地蔵様というイメージを引き出して、信仰対象としました。しかも、お一人では物足りなかったのでしょうか。六地蔵となって道行く人たちを見守っています。
 このお地蔵様も六地蔵のお一人です。泣いているような、笑っているような、なんという俗っぽいお顔をしているのでしょうか。庶民のささやかな願いがそのまま現れているようです。

 この薬王院は、その「牡丹園」で有名です。ざんねんながら、時機を逃してしまい、満開の牡丹というわけにはいきませんでしたが、それでも、美しい姿を参観者たちに見せていました。

牡丹1.jpg


 牡丹や薔薇はいつも主役となるばかりか、『牡丹灯籠』『薔薇の名前』のように物語の題名にもなっています。どちらもおどろおどろしい物語なのは偶然でしょうか。
 牡丹はもちろん俳句や和歌でよく詠われました。


牡丹2.jpg


 牡丹散って 打ち重なりぬ 二三片 (与謝蕪村)


牡丹3.jpg


 牡丹花は 咲き定まりて 静かなり
 花の占めたる 位置のたしかさ (木下利玄 1886-1925)


句碑.jpg
富安風生の句碑

中空に 日のとどまれる 牡丹かな (富安風生)


 薬王院を後にして、駅に戻る途中、道端に小さな花を見つけました。僕はどうやら、こっちのほうが牡丹よりも好きなようです。

蔓日,JPG
蔓日日草


 風車(かざぐるま)のような、この五弁の花は、清楚で、いたずらに主張せず、気持ちがいい。この時期いたるところで見うけられます。
 この先でジャスミンの花が強烈な匂いをまき散らしていました。ゴールデンウィークはちょうど花の時期とも重なります。
 夕方、フランス料理の店でささやかな夕食をとりました。コース(パスタ、メインディッシュ、コーヒー)が2600円、葡萄酒はハウスワインと称するもの(コート・ド・ヴァントゥーという安ワインです)が2600円でした。この店はそれほど感じが悪いわけではありませんでしたが、パンはガーリック・パン一切れだけという、僕に言わせれば最悪の形でした。パンはどんなソースにも合うように、個性のない、単なるパンでなくてはいけません。
 本当は「蚤の市」というレストランで食事をしたかったのですが、連休で休みだったのです。
 
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プロムナード | 13:56:57 | Trackback(0) | Comments(0)
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