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ピケティ現象
 新年最初の「毎日新聞」に掲載された社説は、「戦後日本70年・・・日本と東アジア」と題したもので、中国や韓国の経済的・国家的発展を率直に認め、今までの日本人特有の「日本をアジアの頂点とする序列的思考」をあらためて、中国・韓国と共生できる「並列的」思考を主張している(副題は「脱・序列思考のすすめ」となっている)。ようするに、日本は「大国残像ナショナリズム」を振りかざし、過去の栄光を取り戻そうとするべきではなく、隣国との共存・共栄を計るべきだということだ。
 そうして、昨日1月3日の社説は、「戦後70年・・・ピケティ現象」と題されている。社説によると、フランスの経済学者トマ・ピケティ著『21世紀の資本』の訳本が、各地の図書館で長い順番待ちになっているらしい。経済にひどく疎い僕は、原書であれ、訳本であれ、まだ手にとったことはないし、たぶん手にとってもチンプンカンプンに違いない。だからどうしても、評者経由の「孫引き的」な理解になってしまうのだが、それでも、それなりの理解と同感を得ることができた。「資本主義のもとでは、資産を持つ人がますます富み、持たない人々との格差が広がり続ける。富も貧困も世襲されていく」という分析も、以前からなんの実証もなく感じていたことであり、それを経済学者が論じてくれたことに納得している。


 社説によると、「資本主義の疲労」と呼ぶらしい。要するに金属疲労のようなものなのだろう。以前のマルクス的な論理による資本主義経済の破綻を帝国主義の暴走、崩壊に求めようとしていないところが新しいのかもしれない。要するに、21世紀の資本主義は、20世紀の資本主義が突き進んだ帝国主義的な陥穽に落ち込むことはないが、徐々に疲労し、破綻して行くと言うことだ。一握りの資本家だけが豊かで、大部分の人々が貧困状態という構図では、世界は成り立たない。
 そこで、ピケティ氏の主張だが、社説から引用すると「格差を解消するため、国際協調による<富裕税>の創設」が提案されているらしい。専門家によると非現実的だと称してそっけないらしいが、社説が言うように議論の俎に載せる価値はある。
 フランスでは、オランド大統領が金持ちから富裕税をとろうとして物議をかもし、ジェラール・ドパルデューのような映画スターがフランス国籍を拒否し、ロシア人になったのは記憶に新しい。富裕税というものは、一国だけ取り入れても、金持ちに逃げられてしまうので(しかも彼らは富裕税を課さない国に流れてしまう)、ほとんど効果はない。ピケティ氏の主張するように「国際的取り決め」をして、富裕税は課されなくてはならない。
 それにしても、日本では先の衆議院選挙において、どんな政党も富裕税の創設に言及した党はなかった(僕の知っている限りにおいてだが)のは残念だ。国際的な取り組みはさておき、これから消費税10%という時代を、少子高齢化の時代を目前にして、富裕税を議論しないなんて到底考えられない。とりわけ、民主党を始め、社民、生活、共産など、庶民の立場に立とうとしている党が「富裕税」のフの字も発しないのには、正直落胆した。おそらく、目先の選挙の結果が怖くて、大胆な発言ができなかったのだろう。国家の未来と世界の資本主義という大きな枠で政治を考えられる党こそが、直近では不人気でもこれから「ピケティ現象」のようなことが起きて、民衆が勉強をし、賢くなれば、必ずや支持されるだろう。
 とりあえず、どなたか「富裕税を考える会」でも創設し、テレビで議論したらよいのだが・・・
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オピニオン | 10:22:23 | Trackback(0) | Comments(0)
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