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石田明生

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『ボヴァリー夫人とパン屋』
 今日、銀座で映画『ボヴァリー夫人とパン屋』(監督アンヌ・フォンテーヌ)を見た。
 舞台はもちろんノルマンディー、ストーリーは?
 これまたもちろん小説がたどる物語同様不倫の果ての悲劇だ。
 ところが、全編ユーモラスな気分が漂って、最後にはとうとう腹をかかえて笑ってしまった。不思議な喜劇だ。その微妙な雰囲気の匙加減を、ファブリス・ルキーニが見事に演じている。僕は、映画の最大の欠点は既知の俳優の存在にあると常々思っている者だ。見る前にどうしても先入観ができてしまい、最悪の場合すぐれた作品でも嫌いな俳優が主役を演じるために見る気が起きないということになる。「ああ、あの俳優か」という具合だ。
 前回見たトルコ映画『雪の轍』は、そういう意味ですばらしかった。俳優陣に誰ひとり知るものがいなかったからだ。今回の『ボヴァリー夫人とパン屋』に関しては、主役がなんどもなんども見たことのあるルキーニということで(幸い嫌いな俳優ではない)、少々引き気味だったのは確かだ。が、ルキーニの演技力がその不安を吹き飛ばしてくれた。
 主役以外、とりわけボヴァリー夫人役の女優が、初見だったのはうれしかった。彼女の魅力はじゅうぶん発揮されていたが、エロスの足りなさは時代の流れだろうか。というのも、1990年の映画『髪結いの亭主』(パトリス・ルコント監督)のヒロインは、ジェンマ・ボヴァリーよりもずっと匂い立つエロスを漂わせていたからだ。二つの映画の共通点は、主役の男性は既知で、ヒロインは未知の女優だったこと、両男性俳優は芸の極みに達していた(る)こと、両女優はその魅力をふんだんに振りまいていること。さて軍配は?


 7年前に父親の店を継ぐために田舎に引っ越してきたパン屋のマルタン・ジュベールは、文学好きのおじさん。そんな彼の家の隣にイギリス人夫婦が引っ越してきた。名前は何と、チャーリーとジェンマ・ボヴァリーだった。フランス語読みするとシャルル・ボヴァリーとジェンマ・ボヴァリー(残念ながら、エンマ・ボヴァリーではなかったが)。彼の大好きな小説、フロベールの『ボヴァリー夫人』のようではないか。薬屋のオメーならぬパン屋のジュベールは、美人の妻にひかれてなにかと世話をする。
 ある時ひょんなことがきっかけで、彼女は、近所の屋敷にひきこもって司法試験の準備をする若者エルヴェと知り合い、道ならぬ恋に陥る。まるで、エンマが若いレオンに夢中になるように・・・
 小説のような悲劇を恐れたマルタンは、二人を引き裂く工作をして、それに成功するが、次にジェンマの元恋人が現れる。その二人の関係にエンマとロドルフの関係を重ね合わせてしまうマルタンは、余計な心配をするが、そのうち夫のチャーリーがイギリスから戻ってきて、大事件・悲劇に至る。ジェンマが急死してしまうのだ。死因は?
 マルタンは小説のように彼女の服毒自殺を疑う。が、実際は・・・
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雑感 | 20:48:28 | Trackback(0) | Comments(0)
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