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石田明生

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「あとになったら 手遅れよ」
 今年もついに、最後の授業となりました。今上天皇の誕生日で祭日でも、僕の通うキリスト教系の大学ではそんなことを気にしません。僕も、それほど気にしません。なにしろ、現在大学では、前期、後期それぞれ15回の講義が義務付けられていますから、たとえ今日が休みになったとしても、いずれ後で勘定合わせがあるからです。
 今日の講義は、ふたコマです。ひとつは、『時事フランス語』というタイトルで、フランスのニュースを読んでいます。可能な限り、ヴィヴィッドで興味深いニュースを選び、注をつけて、プリントして配布します。学生に注をつけて読みやすくするため、いくらヴィヴィッドと言っても一週間は遅れてしまいます。というわけで今日のテーマは、12日のCOP21に関するニュースです。
 当初今年最後の記事は、ちょうど1年前の、Saint Sylvestre の夜(大晦日)の自動車放火についてにと思っていたのですが、今年は暗いニュースで終わらせたくなかったので、あのCOP21での閉幕の感動的な映像に突き動かされて、前向きな記事内容にしました。
 COP21の会議の前、ファビウス外相は、あるテレビ演説をこう締めくくっていました。

Plus tard, ça sera trop tard. 「あとまわしにしたら 手遅れになるだろう」


 この文句を、フランス語の学習用に使おうと聞いた瞬間に思ったのですが、先日、詩人のジャック・プレヴェールについての記事を読んでいたら、面白いことに、Plus tard, il sera trop tard. という彼の詩句にぶつかりました。思わず「膝を打つ」とはこのことです。
 「そうか、ファビウスは、この詩句を頭において、この文句を言ったのか」
 しかもこのプレヴェールの詩は『キスして』という、なかなかセンセーショナルな題名に加えて、あのグレコやビアフが歌った、小じゃれな歌でもあるのです(作曲はあのコスマではなく、ヴァル=ベルグという音楽家だそうです・・・高橋氏による)。

 (・・・略・・・)
 あんたは十五歳 私も十五歳
 二人合わせれば 三十歳
 三十歳なら もう子どもじゃない
 働いてもいい年頃だし
 キスしたっていい年齢だ
 あとになったら 手遅れよ
 あたしたちの命は いまだけなの
 ねえキスして! (高橋治男訳 雑誌『感情』第11号に所収)

 「あとになったら 手遅れよ」と訳されていますので、僕もそれを使いたいですね。ちなみに、ファビウス外相は故意か勘違いか、Plus tard, il sera trop tard を Plus tard, ça sera trop tard と1語変えています。それでも、ある世代以上でしたら、このプレヴェールの詩句は人口に膾炙していると思われますので、ピンとくるはずです。フランスの外務大臣、なかなかやるな。
 もしも、今日の講義でこんなことにまで言及できたら、文学とも相まって素晴らしいのですが・・・

 さて、もう一つの講義は、シャンソンを用いたフランス語の学習ですが、ミュージカル『1789 Les Amants de la Bastille』(バスティーユの恋人)から、 Ça ira mon amour を訳し、解説する予定です。最後までミュージカルを鑑賞できればよいのですが。

 まもなく10時、出勤の時間です。
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雑感 | 06:46:01 | Trackback(0) | Comments(0)
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