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ゴディヴァ夫人(Lady Godiva)
 ポカポカ陽気となった今日この頃、やっと生き返ったような気がして、ぼんやりと読み残した本のページをめくっている。今日は、「ハートのレストラン」(慈善団体)の創設者でお笑い芸人コリュッシュのお笑い集 “L'horreur est humaine”(「 恐怖は思いやり」とでも訳すのか)を読んでいる(以前このブログで小話を三つ紹介したことがある)。
 次の小話を読んで、思わず額を打った。もしかすると知らなかったのは僕だけだったかも・・・
 まずは原文を :

Lady Godiva

C'est un mec qui dit à son copain:
--- Eh! Viens demain... il paraît que Brigitte Bardot va défiler toute nue sur un cheval!
--- Ah! Je vais y aller... Ça fait des années que j'ai pas vu un cheval!



 さてこの笑い話、いかがでしたか。訳してみよう。

ゴディヴァ夫人

ひとりの男が友人に言う。
「ねぇ、明日来いよ。ブリジット・バルドーが素裸で馬に乗り、行進するらしいよ」
「ああ、行くよ。何年も馬を見てなかったからな」

 この話のオチは、いっぽうがブリジット・バルドーの裸を強調しているのに、もう一方はそれに興味を示さず、馬のことを言っているすれ違いだ。もっと言えば、ブリジット・バルドーのヌードに興味を示さない男の存在、あるいはグラマラスな大女優のことを知らない男の存在ということにもなるかもしれない。面白さの程度は、うーむ、平凡の部類に入るのかな。
 面白いのは、タイトル「ゴディヴァ夫人」だ。どうしてこの話のタイトルがゴディヴァ夫人なのだろう。というよりも、コリュッシュが活躍していた、1970年代から80年代に、どれほどの人がこのタイトルを見、この笑い話を読んで、ふむふむと頷くのだろう。「ゴディヴァ夫人」という女性あるいはその語の持つコノタシオン connotation(共通して抱き得る内在的意味合い)は、少なくともフランスでは、人口に膾炙していたのだろうか。現代の日本ならば、Godiva という固有名詞から、チョコレートメーカーを思い起こすことだろう。
 さて、ゴディヴァ夫人の物語は、イングランドの中世にさかのぼる(だから、英文科の人たちにとっては周知のことかもしれない。ただし、発音は「ゴダイヴァ夫人」となるが)。
 11世紀、イングランド中央部に位置するコヴェントリーの町は、領主のレオフリク伯の支配の下、重税に苦しんでいた。それを見かねた伯爵の妻ゴディヴァ夫人は、夫に税を軽くするように嘆願した。夫は聞く耳を持たなかったが、夫人がしつこくせがむので、素裸で馬に跨り、町を一回りしたら、願いを聞いてやろうと約束する。そこで夫人は髪をほどき、衣を脱ぎ捨て、素裸になって、騎馬で町を歩いた。ばらけた髪がほとんど全身を覆っていたという。夫は、約束を守り、コヴェントリーは重税から免れたという伝説だ。

 だから、ゴディヴァ夫人というと、全裸で馬に乗る女性という意味を含む。そういえば、有名なチョコレート会社のマークがそれだった。もちろん、その会社はこの伝説から会社名にしたらしい。

Godiva 2      Godiva 1
Chocolatier Godiva をネットで調べたら、パッケージの写真がたくさんあった。そこから、お借りしております。

 コリュッシュの笑い話から、とんでもない脱線となった。ちなみに、ゴディヴァ夫人が町を騎馬で一回りしている時に、町民たちは夫人に敬意を表して家に閉じこもり、見ないようにしていたそうな。ひとり秘かに家の中から覗いていた「覗き見トム Peeping Tom」を除いてだが。

 さて、お笑い集の続きを読もう(また面白いのがあったら、紹介します)。
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笑い話 | 15:59:22 | Trackback(0) | Comments(0)
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