■プロフィール

石田明生

Author:石田明生
ホームページの方もよろしくお願いします。
文学雑感、旅行記、翻訳などを載せています。

■4travel

スキピオの旅行記(写真付き)もごらんください。

■最近の記事
■カテゴリー
■最近のコメント
■月別アーカイブ

■最近のトラックバック
■リンク
■アクセス解析

■ブロとも申請フォーム
■ブログ内検索

■RSSフィード
西新宿のレストラン
 公園を散歩した後、いよいよ待望のレストラン『C by Favy』に行った。なぜこのレストランが「待望」なのかというと、ネット等で、この店が、フランスの『レオン』のようにムール貝のココットを、たった1280円で提供していると知ったからだ。昨年の夏、一緒にパリの『レオン』で楽しいひと時を過ごした甥夫婦を誘って、日本の「ムール・マリニエール」を味わおうというわけだ。さて店に入ると・・・

C by Favy の店内

  照明が抑えられた、まだ新しい店内は、こじゃれた感じで、『レオン』よりも高級感がありそうだが、こじんまりとしている。我々に張り付いたギャルソンは、まだ開店したばかりだから仕方ないが、接客態度が少しぎこちない。試みにベルギーやフランスの『レオン』のことを聞いたが知らないという。あの有名なムールの店を知らないなんて、と驚いたが、まあ、そんなものかと思い直し、注文する。


 まずは、生ハムの盛り合わせ(1500円)、プロシュート(イタリア)ハム2種類とハモン(スペイン)ハム2種類、砂肝料理があったので、砂肝のアヒージョを前菜として頼んだ。ワインはチリの赤(2700円)を一本。パンがないと寂しいので、パンを頼むと、一切れずつの注文だという。いわゆるバゲットの薄切り(5ミリほど)を、値段もわからないので、一人ふた切れずつ頼む。驚いたことにひと切れ50円だった。こんなこと、パリのレストランに慣れているとあまりのチマチマさ加減にうんざりする。が、このパンの売り方、ココットを食べ終わって、店の戦略がわかった。

生ハムと砂肝

 さていよいよ、ムール貝だが、ギャルソンはあれこれといろんな味付けのものを勧めたが一番平凡な白ワイン蒸しとマリニエールにする(ちなみに、彼が勧めたココットは白ワイン蒸しとマリニエールの値段より、全て300円から500円ほど高い。高い方のものを熱心に勧めるとは、フランスでは考えられないことだ)。ワインは、フランスはラングドックの白ワインを一本(同じ値段の2700円)。
 二つのココットが目の前に来ると、否が応でも期待が高まる。貝は思った通り、フランスのよりも大粒だ。

ムールの白ワイン蒸し       ムール貝の大きさ
普通の大きさのフォークと一緒に写真を撮った。いかに大きいかがわかる。


 味は、やはり大粒ゆえに、少々大味だったが、それでもムール貝をつまんで白ワインを飲むと、夏の『レオン』が思い出され、話も盛り上がって、食事を楽しめた。そして最後、ココットにはムール貝の出汁の効いたスープが残る。この時、店のパン戦略がわかった。つまり、『レオン』のようにパンが食べ放題ならば、そのパンをスープに浸して食べるから、スープが無駄にならない。このびしょびしょのパンがうまいのだ。ところが、この店のように、たった5ミリの薄いパンでは、スープがなくなるほどパンを注文するとなると、どれほどしてよいかわからない。どうしよう、とぼんやりしていると、件のギャルソンが「しめ」にパスタはいかがとやってきた。要するに、鍋料理の「しめ」と同様、このスープで自家製のパスタを調理しようというわけだ。スペインにはこんなやり方があるのだろうか(注1)。
 仕方ないので、ギャルソンの言うパスタを2人前注文した。
 少し経つと、ほんの一口ほどのパスタがやってきた。もちもち感のある、まるでうどんのようなパスタだった。生パスタというのは皆こんな感じだろうか。あとでわかったがこの生パスタは、一人前700円だった。まさに、絵に描いたような店の戦略だった。パンの注文を極力抑えれば、より儲かる仕組みになっているのだ。
 女性陣はこの後、デザートとしてクレープ(800円)とソルベ(400円)を注文、お勘定をお願いすると、締めて16135円だった。約ひとり4000円ということになる。酔い心地も楽しく、店を出た。
 甥に半端を払わせたので、翌日もう一度頭の中で計算をした。払わせ過ぎていなかったか、心配になったからだ。
 590(ビール) + 1500(ハム) + 690(砂肝) + 2700(vin) + 2700(vin) + 1280(ムール) + 1280(ムール)
  + 8×50(パン) + 1400(パスタ) + 800(クレープ) + 400(ソルベ) = 13740
 計算して、二で割ってみると、甥にほとんどおごっていないことになる。が、それよりも16135円との差額はどうなっているのだろう。メニューの値段表は消費税抜きなのだろう。1.08をかけたが、148392円にしかならない。そこで、支払い時の明細書を見ると、なんとテーブルチャージがひとり300円ほど取られていた。
 席の予約料なのだろうか。それとも、カウンター席以外の席料なのだろうか。当日の楽しい気分も、翌日の計算で白けてしまった。せっかくの店なのに、少々、懐かしい言葉を使えば「がめつい」のではないか。せめて、メニューに、値段は外税であること、席料が生ずることなど、わかりやすく明記すべきではないだろうか。
 この問題は、ここだけのことではない。日本では、怪しげな「お通し料」とか、「テーブルチャージ」とか、わけのわからない請求が多い。実を言うと、この店でもお通しが出たが、支払い時に勘定書を見たとき、わざわざ 4×0円と書かれていたので、お通し料を取らないえらい店だと思った(注)。が、しっかりテーブルチャージという名目で取っていたのだ。もしかすると、4×0円という項目があるところを見ると、予約を取らない客には、お通し料をとってテーブルチャージを無料にしているのかもしれない。
 どの店に対しても言いたい。楽しい食事を提供したいなら、明朗会計を望む、と。

(注1) この店、なんとなくスペイン風だから、そう思ったが、後でスペイン語の先生に訊いてみると、そもそもここでのようなムールの料理はないということだった。まして、生パスタを「しめ」にするなどありえないと驚いていた。
(注2) というのも、僕は店の良し悪しを「お通し」があるかないか、ある場合「お通し料」を取るか取らないかで決めているからだ。飲み屋に入った場合、あの「お通し」いうのが本当に嫌だ。もちろん無料の場合はそれが美味しければむしろ嬉しいのだが、それが有料となるとそのまま店を出て行きたくなる。どうして注文もしない品に料金を払わなければいけないのか。まして、それが嫌いなものだったり、注文した品と似かよっていたりする場合は、腹立たしくなり、席を蹴りたくなる。
 このお通しの習慣、この日本の不条理は無くならないものか。ちなみに、フランスでもカフェでビールなどを注文すると、オリーヴの実や乾きものクッキーなど持ってくるが、支払いは義務ではない。美味しかったらチップでも、という感じだ。それなら問題はない。
スポンサーサイト
雑感 | 06:51:56 | Trackback(0) | Comments(0)
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

FC2Ad