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石田明生

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親指小僧
 シャルル・ペローの童話『親指小僧』を彷彿とさせる事件が、最近この国で起こった。童話同様、ハッピーエンドに終わったので、ここに感想を掲載できる。嬉しいことだ。
 ペローの話は、兄弟7人が両親に捨てられることから始まるので、今回の事件とは根本的に違う。今回森に置き去りにされたのは、大和くん一人で、しかもしつけのためだったらしい。現代の親指小僧は、自動車で運ばれるので、帰るための小石も用意していない。したがって、いきなり森の中で絶望に陥るばかりだ。物語では、親指小僧が高い木に登り、小屋を見つけそこに身を寄せようと訪れるのだが、もちろん大和くんはそんなことをしなかった、ただひたすら歩いて、小屋(?)にたどり着いたらしい。親指小僧と兄弟たちがその小屋で見出したのは、鬼に食べられるという恐怖だった。が、どういうわけか鬼の女房というのが親切で、かくまってくれるが、それでも心配だった親指小僧は機転を働かせて、鬼夫婦の7人娘と入れ替わる。案の定、鬼は暗闇の中で7人兄弟をばらして、翌日食そうと準備する。親指小僧たちは、暗いうちに鬼の家から逃れるが、哀れなのは鬼夫婦、小僧たちと思ってばらしたのが実は娘だったとは。お人好しの女房は、娘たちの血の海を見て気を失い、夫の鬼は7人兄弟に復讐するべく、七里の長靴を履いて飛び出す。


 なんだか、完全に親指小僧の話になってしまったが、このまま続けてしまおう。
 鬼は7人兄弟を探し回ったが見つからず、ひどく疲れて寝込んでしまう。その時、親指小僧は鬼の足から靴を脱がせて自分で履き・・・不思議なことにこの魔法の靴は履きての足のサイズに合うようにできていたのだ!!!・・・鬼の家にとって返す。そこで悲嘆にくれている鬼の女房に、「旦那さんが泥棒一味に捕まった。身代金を払わないと殺されてしまう」と嘘をつき、鬼が貯めた全財産をせしめてしまう。それにしても、泥棒一味に捕まる鬼という嘘の滑稽さもさることながら、あまりにも哀れなのは人の良い鬼の女房だ。兄弟を助けてやったというのに踏んだり蹴ったりではないか。そのために、ペローは別の結末も用意していた。
 七里の靴を盗んだ親指小僧は、宮廷に行って、王様達の飛脚となり、大金持ちになったというのだ。これなら、無難な終わり方だ。

 ところで、現代版親指小僧は、一週間経っても消息が分からなかったので、大和くんの死亡説(鬼ならぬクマに喰われたのではないか)、それどころか大和くんの父親の鬼説(実は息子を殺して埋めたのではないか)まで飛び出し、日本中、いや世界中が(ちょっとオーバーだが海外のニュースにも載った)固唾を飲んでいた。ところが、一昨日、たどり着いた小屋で発見された。なんと水だけ飲んで飢えをしのいでいたらしい。彼が自分の家を繁栄に導くかどうかはわからないが、久々楽しいお騒がせ事件であったことは確かだ。
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雑感 | 10:19:02 | Trackback(0) | Comments(0)
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