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石田明生

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春の読書
 春休みには、なるべく大部の書を読むことにしている。学期が始まると電車内で読むことが多い。その場合は可能な限り文庫本のような携帯しやすい小部の本が良い。
 そう言うわけで、3月の頭に、『アレクサンドロス』I. II. III. というイタリア人作家の三巻本の一巻を図書館で読み始めた。予想通り、血湧き肉躍るような面白い本だった。瞬く間に読み終えて、第二巻本をいざ借りようと図書館に赴いたら、なんと、なんと、二巻目がないではないか。1巻目を借りた時には確かに書棚にあったのに・・・1冊ずつ借りて読もうと思ったのがいけなかった。が、二巻目から読み出す人がいるなんて誰が想像できるだろうか。図書館員に問い合わせると、3月20日に返還予定となっているとのこと。手ぶらで帰るのも業腹なので、待っている間に読むため、分厚い『太陽王の使者』というフランス人作家の本を借りた。二段刷りの長い歴史小説で、しかもルイ大王時代だ。面白くないわけがない。


 正式書名は次の通りだ。

『太陽王の使者』ジャン=クリストフ・リュファン著/野口雄司・吉田春美訳
原題 «L’Abyssin ; Relation des extraordinaires voyages de Jean-Baptiste Poncet, ambassadeur du Négus auprès de Sa Majesté Louis XIV»(アビシニア人・・・ルイ14世陛下のもとに派遣されたエチオピア皇帝大使ジャン=バチスト・ポンセの驚くべき旅の報告)
Jean-Christophe Rufin(1952-)

 一時的に紀元前の英雄を忘れてしまうほどに面白い小説だった。歴史的事実と虚構を織り交ぜての本格的な歴史小説で、舞台はエジプトのカイロ、ついでアビシニア(現在のエチオピア)、フランス本国、最後にシナイ半島と転々とする。
 カイロで潜りの医療を営んでいたポンセは、その医術の才能を買われて、アビシニア皇帝の病気を診るためにエチオピアに派遣される。その地で皇帝の病を癒し、と言うより軽減して、皇帝の信頼を得る。皇帝は逆にポンセをアビシニア大使としてフランス王国、つまりヴェルサイユへ派遣する。が、イエズス会やカプチン修道会、トルコの総督(イスラム)、それどころか最初に彼を派遣したエジプト領事までからんだ政治的混乱に巻き込まれる。そのために様々な権力と敵対することとなり、ポンセはほとんど孤軍奮闘の状態に陥る。おまけに、領事の一人娘と密かに愛し合っているから、大変だ。

 作者は1952年生まれの、医師、歴史家、小説家、外交官の顔を持つ。アカデミー・フランセーズの最年少会員というのもすごいが、国境なき医師団の創設者の一人というのも驚く、とともに敬意に値する。この処女小説はゴンクール賞の最優秀新人賞を獲得したそうな。多彩な人はいるものだ。
 結局、この長い小説を読了したのは3月31日になってしまったが、さっそく『アレクサンドロス』の第二巻と三巻を借りるべく、図書館に急いだ。が、まだない。館員に訊くと、まだ滞納しているとのこと。「なんてやつだ」と内心思い(借りている人が男か女かわからないがいつの間にか男と思い込んでいる)、歯ぎしりをしたが何にもならない。そこで返ってくるまで何かを借りて読もうと書棚を物色すると、『インカ』という本が借りられたそうに僕の目の前にあるではないか。背表紙を眺め、手にとってペラペラめくっていると、ますます欲望が強くなる。しかし『太陽王の使者』は二段刷りといっても一巻だったのに、この『インカ』は二段刷りの三巻本なのだ。間に合わせに読むにしてはあまりに膨大だ。だが、せっかく図書館に来て手ぶらで帰りたくない。えーい、とばかりに『インカ』の1巻2巻の二冊を借りた。前のことがあったので大事をとって、2冊いっぺんに借りることにした。ちなみにこの図書館の返還期限は2週間だ。短いので2冊にしたのではない。実は2冊しかなかったのだ。つまり、第3巻はどなたかが借りているのだろう。というわけで、『アレクサンドロス』がまだ2巻も残っているのに、小説『インカ』を読み出すことになってしまった。
 読み出したら、これまたやめられないほどにおもしろい。この1週間『インカ』漬けににってしまった。結局3月31日に借りて、昨日4月7日に2巻を読了して、『インカ』の3巻目か『アレクサンドロス』の2・3巻目がもうあるに違いないと思い図書館に足を運んだ。すると、まだない。内心怒り心頭に発してはいたが、そこは紳士、落ち着いて館員になぜないのか訊ねた。すると『アレクサンドロス』はまだ滞納中で督促状を出しているとのこと、『インカ』は、驚いたことに、もともと2巻しか図書館にないとのことだった。全巻を揃えない図書館にむかっとし、呆れ返ったがそこは、やはり紳士で徹した。けれども内心の怒りが面に現れてそれを読み取られたのだろうか。館員は、他の図書館から直ぐに取り寄せれられますから、早速手続きをします、と慌てて付け加えた。仕方ない。「お願いします」と言って、書棚の一冊を借りてきて今それを読んでいる。小説『イエスの復活』(NHK出版)は1巻だし、1段刷りで活字も大きいので、明後日(火曜日)までに読み終えるだろう。というのは、図書館は月曜日は休館なので、取り寄せの本は急いでも火曜日になるそうだからだ。
 学校が始まると、分厚い本を持ち歩くことになる。それを避けたくての春休み読書計画だったが、思いもかけない展開になってしまった。そのために予定外の本を読むことにもなった。まあ、それもいいか。
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書評 | 10:42:34 | Trackback(0) | Comments(0)
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