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石田明生

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蜂の巣城攻防戦
 我が家のまわりは、お盆のせいか、車の通行も人通りもほとんどなくなり、うだるような暑さの中でいやに静まり返っている。
 蜂というのはどんなに暑くても大丈夫なのだろうか。それどころかこんな暑さは大歓迎なのだろうか。
 我が家の南側の窓の端に、何日か前から巣を作っていたが、今日見るとそれはそれは見事に成長して、蜂の巣の御殿のようになっていた。ガラス越しに・・・というのは巣は窓ガラスのすぐ近くに作られているものだから、刺される心配もなく・・・巣をじっくり観察できた。それどころか写真におさめることもできた。

蜂の巣.JPG



 巣の穴の中には黄色いひとつ目小僧のような幼虫が何匹かいた(写真左上)。間近でジッと観察しているとなんとなく親しみが湧くから不思議だ。名前でも付けたら、ペットに対するような気持ちになるかも知れない。
 だから、玄関の呼び鈴が鳴って、蜂の巣側に隣接するマンションの管理人から「お宅に蜂の巣があって、蜂が飛び交い、駐車する人に危険なのでとりましょうか?」と申し出があった時には、まるでうちのペットがいたずらでもしたかのような錯覚におちいり、びっくりしてしまった(我が家にはペットはいない。念のため)。
 「巣がかなり大きくなりましたので、危ないですよ」
 僕がぼんやりしていると、相手は熱心に説得している。
 駆除していただいた方がいいに決まっているのだが、僕はこっけいにも「ちょっと待って下さい。妻に相談しますから」と、答えてしまった。相手は僕を「おかしな奴だ」と思ったことだろう。
 そして、妻にこのことを伝えると、妻の方は、どうやら蜂に対する愛情を僕と共有している様子もなく、いとも簡単に「とってもらいましょう」と、頼みに行った。
 「すわっ! 鎌倉ならぬ、蜂の巣。立派な蜂の巣がなくなってしまう」というわけで、写真に撮った。

 くだんの管理人はどうやって蜂の巣を駆除するのだろう。家の中から、高みの見物を決め込む。
 彼はまず、二丁拳銃スタイルのように両手にスプレーを持って、敢然と蜂の巣に近付き、スプレー攻撃をかけた。白い噴煙が巻き起こり、零戦のような蜂部隊はぱらぱらと墜落する。どうやら新兵器の殺虫剤はよほど強力らしい。なかには、特攻隊のように反撃する蜂もいる。そんな時二丁拳銃もたまらず後退するが、すぐに自分のまわりを殺虫剤のバリアーで防御する。
 零戦の蜂部隊が部隊としての体をなさなくなると、攻め手は二丁拳銃をやめて、両手で長い棒を抱えて突進して来た。いささか古くなるが、槍部隊ということになる。その槍で、本丸の蜂の巣を数回叩くと、哀れ、蜂の巣城は文字通り落城の憂き目にあった。本丸を失い、生き残った零戦蜂が何匹か飛んでいるだけだ。
 かくして、我が家の窓にできた蜂の巣攻防戦は終わった。

 数時間後、妻が一匹の蜂をつぶしてゴミ箱に捨てた。「二階の洗濯物まで飛んで来て力尽きたらしい」とのこと。そうか、この蜂は落ち武者として二階のベランダまで来たが、俘囚の辱めを受けるよりはと自刃したのか。

 さて翌朝、文字通り落城した蜂の巣はどうなったか、窓の下を探した。が、驚くべきことに見つからない。今も確認して来たが、やはりない!
城を失った蜂が一・二匹飛んでいるだけだ。どうしたのだろう。
 さては、あの攻め手の管理人が、戦利品として持って行ったに違いない。なにしろ蜂の子の幼虫は釣りのえさとしては最高級なのだから。
 今日は十五日、終戦記念日だ。
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日常スケッチ | 14:47:52 | Trackback(0) | Comments(0)
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